自然公園から科学館へ 第1回「散策路を歩こう」

西東京の木50選の一つ、クヌギの大木が残る西原自然公園

 わがまち発見と健康づくりをねらい、公園や社寺などを巡る西東京市の「『みどりの散策路』を歩こう」の今年度1回目が5月24日にあった。

 

 全11コースのうち、「西原と多摩六都科学館」コースの2.6キロ。爽やかな青空の下、17人が参加した。

 

 集合場所となった西原自然公園は、武蔵野の雑木林の面影を残す公園として1979年に開園し、広さは約2万平方メートル。市と民間団体が協力して伐採や切り株から芽を出させる天然更新などにより林の若返りと取り組んでいる。

 

 参加者たちは園内の広場で民間団体の前代表から自然再生への試行錯誤の足取りを聞いた後、西東京自然を見つめる会の案内で「西東京の木50選」となっているクヌギを見上げたり、50選の決定後に枯死して切り株となったヤマザクラを惜しんだりした。

 

 公園に隣接する集合住宅団地の西原グリーンハイツにも50選の木・ヤマザクラがあり、頂上付近の枝にツミの姿が確認できた。ツミは絶滅が心配される日本で一番小さい猛禽類で、タカの仲間。公園で鳴き声が聞こえていた希少種が、白い羽毛の腹を見せて止まっており、参加者を喜ばせた。

 

 一行はこのあと西原総合教育施設(旧西原第二小)にある郷土資料室で小学校から出土した銃器類の特別展示や縄文集落・下野谷(したのや)遺跡から出土した石器・土器などの展示室を見学。

 

 多摩六都科学館の敷地では、毛利衛さんが2000年にスペースシャトルで宇宙に持っていった種を北海道で育て、ここに植えた「宇宙桜」(エゾヤマザクラ)を見た。

 

 同館スタッフの話では、2005年に植樹し、一時期成長不良となったが、ソメイヨシノにやや遅れて今年も美しい花を咲かせたという。敷地にはほかに小規模な雑木林やヒキガエルが繁殖する池もあり、「知らなかった」と多くの人が興味深そうに説明を聞いていた。

 

 今年度の開催は計4回、次回は6月28日の予定。