西東京市に住む後期高齢者6人の1泊旅行会が7月8日にあった。行き先は神奈川県三浦半島の城ヶ島。
歴史の勉強やウオーキングを通じて知り合った70代後半3人と80代3人の面々。コロナで中断したが、月に1回の飲み会と年に何回かの旅行を楽しんでいた。今回は久々の国内お泊り旅復活で、そろり近場から。
「命の危険」が叫ばれ、「不要の外出は控えましょう」とニュースや気象情報でしつこく熱中症予防を警告される猛暑続きの日々。ホテルの予約などあらかじめ日程が決まってはいたが、「蛮行」と後ろ指をされかねない行動でもあった。
炎天下、「もう歩けない」と訴える人がいると、城ヶ島周辺の散策を早く切り上げたり、2日目の横須賀は観光船による「軍港めぐり」だけで切り上げたりして、暑さにかかわるトラブルは完全に回避して帰宅を果たした。
しかし、小事件がなかったわけではない。
それは2日目。横須賀に行くため、京急三崎口駅で自動改札機に切符を通した人がゲートを閉められたのだ。切符は前日、京急品川駅の券売機で買った「みさきまぐろきっぷ」。途中下車ができるし、京急バスは乗り放題という往復券で、最初の人にならって全員が買った。
ところが、最も肝心な「通用当日限り」を誰もが見落としていた。厳密に言うと、券面に記載された「7月8日限り有効」を気に留めていなかったようだ。私自身、「8日」とは「あした」だと思い込んでいた。
みさきまぐろきっぷとセットの「三浦・三崎おもひで券」も無駄になった。喫茶店でコーヒーとケーキを楽しむか土産をもらえるかしたのに。初日、三崎港の食堂で同じセットの「まぐろまんぷく券」を使えたのが、せめてもの救いか。
「記念に(券を)持って帰るか」と一人が言った。誰かを責める声はなく、おのおのが粛々とICカード乗車券で入場するのだった。