11月15、16、17日と外出の機会があった。取材しないと書けないタイプの私としては、イベント参加はしめしめなのだが、近年はその日のうちに記事にするのがたいぎ(北海道弁で「おっくう」の意)になり、寄る年波のせいと開き直ってしまう。
しかし、書かないでいると、それはそれで落ち着かず、パソコンから「新規文書」を呼び出し、執筆を始める。というわけで日付順に記録をそろえ、記憶を呼び戻そう。
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朝日カルチャーセンター立川教室の「スリバチ地形散歩 つつじヶ丘・仙川編」が11月15日にあった。
10人が参加し、午後1時、京王線つつじヶ丘駅北口を出発。ガイドの真貝(しんがい)康之さんは多摩武蔵野スリバチ学会会長の肩書を持つ。
コースは2つに分け、始めは高低差の大きい甲州街道の北側地域へ向かい、いったんつつじヶ丘駅に戻ってから南側地域を歩いた。
駅の北にある甲州街道に出て貉沢(むじなさわ)と呼ばれる細い川跡をたどった。すべてコンクリートのふたで覆われた地下排水溝になっていて、住宅がぎりぎりまで迫っている所が多い。すぐ隣に深大寺用水東堀が流れていたという舗装道路もあり、「集落間の水争いの産物」と真貝さん。
貉沢の水源とされる池のある調布市つつじヶ丘公園はすり鉢状。しかし池に水はなかった。ここまでのコースは三鷹と調布の市境が入り組んでいる。
公園の東には玉川上水から分水された仙川用水が今は中仙川遊歩道となっており、この道から甲州街道~駅へと戻った。
駅で小休止した後は線路沿いに東(仙川駅方向)へ進み、入間川(いりまがわ)上流端を見て旧甲州街道の難所「滝坂」を上った。勾配は緩やかになったが、坂の途中に1830(文政13)年建立の薬師如来坐像(石像)が、坂上には戦前まであった「馬宿」の碑が往時をとどめる。
甲州街道との合流地点付近の歩道橋を渡り、さら京王線の陸橋を渡って調布市実篤公園へ。武者小路実篤が晩年を過ごした邸宅の仕事場をテラスからのぞいたり、黄金色に光って見えるヒカリモを見たりして、予定通り午後4時ごろ、つつじヶ丘駅に到着し解散した。