秋田県男鹿半島を中心とする名物行事・なまはげを主なテーマに、講座「神々と生きる町、秋田の民俗学入門~ナマハゲはどこから来るか~」(大人の休日俱楽部趣味の会など主催)が11月17日、東京都千代田区で開かれた。
参加者約70人を前に、秋田県民俗芸能協会会長で鶴ケ崎神社(秋田市)宮司の齊藤壽胤(じゅいん)さんが話した。
齊藤さんは、なまはげを県内各地の「まつり」と同様に民俗行事として見ることを強調。小正月(旧暦1月15日)に山から下りてくる男鹿のなまはげは、豊作につながる水(雪)をたくわえる山への信仰や、いろりの暖にしがみつく怠惰への戒めを表していると説いた。
鬼の面をかぶり、「泣く子はいねがー」と子どもを怖がらせる姿や動作で知られるなまはげだが、齊藤さんは「『ウォー』と叫んでから『新年おめでとう』と述べる」「『包丁研げたか、小豆煮えたか』と家に入ってくる」「家の主はどぶろくでもてなす」など、集落によってなまはげの服装や所作、迎える側の作法が微妙に異なると話した。鬼の面も最古とされるものには角がないという。
起源については、江戸時代後期の1811(文化8)年に旅行家の菅江真澄が挿絵入りで紀行文を著しており、このころにはなまはげ行事が確立していたという。