西東京市民映画祭2025(実行委員会主催)が行われている保谷こもれびホールで無料鑑賞できる9月15日、妻と一緒に山田洋次監督の映画「母と暮せば」を観(み)た。
長崎への原爆投下で死んだ息子の医学生役が二宮和也、その母親で助産婦役が吉永小百合、二宮の恋人で教員役が黒木華。原案は井上ひさし。入念な資料調査や推敲がゆえに遅筆の定評もあり、尊敬する作家だ。
戦争や戦争に伴う家族愛を描いた映画は、気が弱く涙もろい性格から苦手だが、同じ亡霊でも「父と暮せば」の娘と父親よりも息子と母親の組み合わせの方が泣かされるシーンが少なさそうと見込んだ。二宮の演技にも興味があった。
息子と母親の会話や恋の行方にショッキングだったり虚を突かれたりする展開はないが、何気ないシーンにもじんわりと熱いものがこみ上げてきて、いい映画を観たとの感想にたどり着く。
自宅から会場まで2キロもないのに、つかの間の休憩1回を入れて40分かけて歩き、不自由な足を恨んだ。行きも帰りも、1時間に1本しかないコミュニティーバスが目の先で発車してしまうという不運を嘆き合ったことも記録しておこう。