
柳家権太楼・甚語郎・福多楼の「親子会」が9月28日、三鷹市芸術文化センターで開かれた。
権太楼さん(78)は1月に食道がんとわかり、抗がん剤治療などを経て6月に高座に復帰。三鷹では「甚語郎に一席助け」てもらい、「一門会というより『介護会』になった」と話した。
前半、前座の小じか、福多楼に続いて登場した権太楼さんは開口一番、「ご心配をおかけして。すっかり元気に…」と語りかけた途端、「そうでもない」と続けた。
昨年暮れに食べ物をもどしたときは、ポリープでもできたかと思ったが異常は見つからなかった。しかしおせち料理ももどし、大学病院で胃カメラ検査を受けたところ、「ステージ4」のがんと判明。抗がん剤で患部を小さくしてから手術したという。
入院して抗がん剤治療を2回受けたが「吐き気やむかつきがひどく、どんどんやせてくる」。そうなると、ますます病人になってくるので、なるべく入院はやめて通院するほうがよいと勧めた。
一時期は高座に上がるのは無理かなと弱気になったが、今は「いつまでもつんだか」と不安を抱えながらも、「血を吐く思いでがんばっている。よろしく」と力強い声でてんまつ結んだ。
権太楼の演目は前半が『うどん屋』、後半は甚語郎の『花筏(はないかだ)』の後に『二番煎(せん)じ』を演じた。
ともに30分を少し超す程度の時間の滑稽噺(こっけいばなし)で、体を激しく動かす場面も少ないところに大事をとりながらの高座ということが察せられた。
外見では顔が細くなり、手のしわも増えたようだが、本編の話芸は病み上がりを忘れさせ、「さすがに師匠」と大いに笑った。