運慶展を見た

混雑する「運慶」展会場入り口付近

興福寺北円堂=2017年5月

 東京・上野公園の東京国立博物館で開催中の特別展「運慶 祈りの空間-興福寺北円堂(読売新聞社など主催、11月30日まで)」を見に11月21日、出かけた。

 

 奈良・興福寺には近年2度訪れたが、北円堂は公開の機会に恵まれなかった。

 

 運慶は鎌倉時代を代表する仏師。興福寺北円堂には本尊の「弥勒如来坐像(みろくにょらいざぞう)」と両脇に無著菩薩(むじゃくぼさつ)立像と世親(せしん)菩薩立像が安置されていた。いずれも運慶晩年の名作とされる。

 

 今回は、北円堂が鎌倉時代に再建された際にこれらと一緒に安置されていた可能性が高く、運慶一門の作とされる四天王像(現在は中金堂に安置)が加わった。

 

 7体とも国宝。弥勒如来坐像は昨年来の修理が完了し、約60年ぶりに寺外で公開されたという。

 

 平日の昼下がり、好天に恵まれJR上野駅の公園口から人出が多く、修学旅行の生徒集団も目立つ。東博は折り返しの人の列ができていて最後尾は30分待ち。

 

 会場は八角形の囲いの中に本尊と無著菩薩、世親菩薩が安置され、その4隅に配置された四天王像がにらみを利かす。四天王像も1体ずつ8角形の囲いの中にあり、身を乗り出せば1メートル以内に近づくことができた。

 

 この展示はNHKEテレ「日曜美術館」で取り上げ、「眼」についての感想や解説が詳しく語られていたが、私の目には照明不足で追体験することはできなかった。

 

 本尊の台座に残る金箔に「昔はさぞ神々しく見えたでしょうね」と語る声があれば、「よく今まで折れなかったな」と細い木製の武具に感心する声も聞こえ、世俗の空間に心安らぐのだった。