映像グランプリ「じじっか」 見て語り合う 東京上映会

グランプリ作品の制作側と取材された側の代表と語り合った東京上映会

 「『地方の時代』映像祭2025-伝えることをあきらめない」(日本放送協会日本民間放送連盟関西大学など主催)でグランプリを受賞したETV特集「独りでも、大家族 久留米・じじっかの1年」の東京上映会が12月6日、千代田区丸の内の関西大学東京センターであった。

 

 番組は、家に居場所がない子どもたちだけでなく、子育てに悩むひとり親や不登校の若者などが集まる福岡県久留米市の「じじっか」でカメラが1年間密着。

 

 実家よりも実家のように過ごしてほしいと名付けた「じじっか」を立ち上げた3人のシングルマザーやスタッフの取り組みと悩める人たちの変化を追った。NHK福岡放送局の制作で放送時間は59分。

 

 45回目の今年は放送局、ケーブルテレビ、市民・学生・自治体、高校生(中学生)の4部門に計318作品の応募があった。

 

 映像祭は贈賞式や記念講演、シンポジウム、参加作品上映などが11月に大阪市関西大学千里山キャンパスであり、東京上映会ではグランプリ作品の上映と作品を語る会に約100人が参加した。

 

 語る会では番組のディレクターが、ドキュメンタリー制作を自身のライフワークとしていると切り出し「家族のあり方を考えたかった」と制作の動機を話し、土壇場で顔出しの許諾が取れない人がいたとの裏話を明かした。

 

 じじっかの代表者は核となるスタッフは現在16人いて、深夜まで激論を交わすことがあること、金土日曜の無料の食事は約300世帯が利用していること、視察が年90件以上あること、それでいて「運営資金の調達は超綱渡り」などテレビで紹介されていない実態を語った。

 

 「当事者でないとわからない0.5ミリの隙間」「重い荷物も1キロならば取り除いてやれる」「ひとり親ふたり親よりも大家族で埋め合える7人親」との言葉は参加者の心に響き、来年はフリースクールの開設を目指すという新展開も関心を呼んだ。