「変わってきた葬儀」を学ぶ―東京雑学大学

 NPO法人東京雑学大学の836回目の講座は5月17日、NPO法人たま市民葬コラボ代表・有馬将由さんが「今日的葬儀考と終活」と題して話した=写真。西東京市民会館に近隣の市民を含め約70人が出席した。
 わが国の死亡者数は1990年から増加しており、2038年にピークの170万人になると推計されている。死亡者数の増加により火葬場や斎場が混雑し、葬儀を行うまで1週間かかることもあるという。葬儀業界には新規参入が続々と現れ、費用の透明化を武器に流通大手も進出した。このため葬儀件数は増えても売り上げは横ばいか減少傾向にある。
 さらに、近年は葬式不用論を説く本がベストセラーになった影響で、遺体を自宅や病院からまっすぐ火葬場へ運ぶ「直葬」が3割を超えたとされ、家族葬も増えている。有馬さんは新聞の死亡広告からもその傾向がうかがえると言い、今後も近親者のみによる密葬またはそれにお別れ会を加えた形が増えるだろうと見る。葬式費用は1件当たり全国平均231万円(2007年)から下がり、3年後には200万円を割り込んだとする日本消費者協会の調査結果が紹介された。
 流行語となりつつある「終活」についても言及。NHKテレビの特集や経済産業省の研究会の報告書、有馬さんの団体が編集・販売するエンディングノートについて説明し、残された人生の生き方を考えることが自分らしい生き方につながると強調した。
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