<続報>上手な対話 実践で学ぶ 地域の居場所づくり講座

イメージ 1  西東京市と同市社会福祉協議会が進める「地域の居場所づくり」のための講座の2回目が7月24日、田無総合福祉センターで開かれた。今回のテーマは、上手なコミュニケーションのとり方。30人が参加し、NPO法人I am OKの会代表で臨床発達心理士の林田道子さん=写真中央=から、自分も相手も大切にするコミュニケーションの技法とされる「アサーション」を実践を通して学んだ。
 
 コミュニケーションを上手に行うためのアサーショントレーニングは米国で広く普及し、日本でも医療や教育の現場に取り入れられているという。
 
 コミュニケーションのタイプは、①自分のことを中心に考え、相手のことは全く考えない「攻撃型」②自分の感情は押し殺して、相手に合わせる「非主張型」③自分の気持ちや考えを相手に伝えるが、相手にも配慮するやり方―の大きく三つに分けられる。ただ、攻撃型には相手を操ろうとしてやさしい口調で話す場合もあるので見抜く力が求められ、非主張型では、卑屈になったり自分の気持ちが分からなくなったりするだけでなく、復讐心にも発展する、と注意を促した。
 
 参加者たちは、自分も相手も大切にするやり方(アサーティブな方法)を実際に役割を分担し試してみた。集合住宅の1階に住み、朝早く出勤しなければならない人が、2階の別の家庭の子どもが午後9時に始めるバイオリンの練習の音で眠れず、その母親を訪ねるという想定。実演後、苦情を持ち込む人の物腰や時刻の変更などの具体的な提案、母親役の弁明や妥協点探しなどが語られた。林田さんはこれらの発表を引き取り、訴えなければならない要素として「事実を淡々と述べる」「気持ちを表現する」「提案をする」「次につながる選択肢を示す」の四つを挙げた。そのうえで「アサーションを意識するかしないかで人とのコミュニケーションは大きく変わる」と強調。「生涯かけて訓練して」と努力を訴えた。
 
 これに先立ち、2人1組となり、無表情の相手に話しかける、丁寧に聞く、相手の良いところを見つける、という3場面を演じることによりコミュニケーションの要について考え合った。
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