井の頭公園で樹木観察 樹木医・石井さんがガイド

イメージ 1 保谷駅前公民館主催の「樹木医と巡る樹木観察」は9月18日、井の頭公園三鷹市武蔵野市)で行われた。
 京王井の頭線の井の頭駅前に集合した参加者を前に、ガイドの樹木医・石井誠治さんは公園からはみ出している頭上の木の枝を引き寄せ、ブルーベリーに似た黒紫色の実を味わうよう勧めた。「干しガキのような甘みでしょう。これはムクノキです」。葉の表面はザラザラしていて、細かい番手のやすりとして木工材などの仕上げに使われたという。
 ムクノキの仲間(ニレ科)には名前が知られている順にケヤキ、エノキ、ムクノキがあり、「3兄弟と覚えてください」。ムクノキと親しんでから、神田川沿いを下流へ。
 米国フロリダ半島では沼の中に生えているというヌマスギ(別名ラクウショウ)、青い実をまとめて付けるオニグルミ、赤い小さな実を付けたエノキの説明を聞き、ゆうやけ橋から左岸側を上流へ向かう。湿地に強いハンノキ、ナンジャモンジャの別名を持つヒトツバタゴ、神田川の起点などを見てひょうたん橋を渡り、井の頭池南側の遊歩道へ。生きた化石と呼ばれるメタセコイアは、昭和天皇が戦後復興を重ね合わせてアケボノスギと命名したという。幹に鋭いトゲがあり、さやはせっけんの代わりだったというサイカチ。幹が池に向かって倒れこみ、そろそろ植え替え時とされるソメイヨシノトチノキの実を拾い、植え方や食べられるまでの処理の仕方などを聞く。サルスベリの幹は生きている側が冷たいことを確かめた。戦後間もなく植えられたヒノキが強いビル風で倒れた後の切り株も見た。
 2時間の観察中、参加者は熱心にメモを取ったり質問したりしていた。