歴史ある巨樹に感嘆 新宿御苑を樹木医と歩く

イメージ 1 保谷駅前公民館主催の「樹木医と巡る樹木観察」の最終回が9月25日、新宿御苑で行われた。石井誠治さんの豊かな知識と経験が軽妙な言葉で語られ、参加者たちは巨樹など木々のたくましい営みに驚きの声をあげていた。
 新宿門を入り、すぐ左手の大イチョウ、親子3代が命をつなぐハルニレ、高さ40メートルに達し日本一高いユリノキ(ハンテンボク)、関東地方で最大というハクモクレン、日本最古のヌマスギ(ラクウショウ)など巨樹を中心に十数種を見て回り、最後は「風格ともに巨樹と呼ぶにふさわしい」と石井さんが太鼓判を押すプラタナス=写真。剪定(せんてい)されることなく枝を存分に広げた独立木は幹回りが約9メートル、直径約3メートル。幹のゴツゴツが古さの証しという。
 途中、早くも数輪の花をつけたジュウガツザクラ、マツの空洞にアリが種を運んで育ったというコスミレを見たり、スダシイの実の白い部分を生で食べられることを確かめたりもした。
 石井さんの話は日本と同緯度地域との気候の違い、遊歩道に木くず(チップ)を敷くことによる樹木への害、草に対する農耕民族と遊牧民との受け止め方の違いなど多岐にわたり、「都市生活者の論理はリスクを積み上げる結果になりかねない。自然から知恵を学ぼう」と呼びかけた。