エール、断絶、思い出… 議員諸氏、進退明かさぬ市長に

イメージ 1 西東京市の定例市議会は12月5日で予定された3日間の一般質問を終えた。来年2月に任期満了となる坂口光治市長=写真=が3選出馬しなければ、これが最後の定例会となるが、進退については依然明らかにせず、議員が市長に関して述べる所見も「期待」「対決」「戸惑い」などいろいろに分かれた。
 一般質問初日に市長の政治姿勢を問うたのは安斉慎一郎氏(共産)。坂口氏の2期8年の実績を評価し、「党としても出馬要請してきたが、この場でもあらためて要請する」とエールを送った。
 市長は「市政には重要な課題がたくさんある。まずは現在の任期を緊張感を持ってまっとうすることが私の責任」と、これまでの定例会と同様の答弁を繰り返すにとどまった。
 2日目は自民党会派の2氏が質問の通告を「市長の政治姿勢について」の一点に絞った。浜中義豊(のりかた)氏は、今定例会に来年度の予算編成方針が提出されていないことなどを批判したうえで「政策課題は自民党市議団が責任を持って取り組む」と突き放し、5分間で質問を終えた。
 続く酒井豪一郎氏は市庁舎統合問題、市民との対話、空席が続く教育長の選任問題の3項目について質問する形をとったものの、「市長としての有効性が認められない」として答弁を求めず、10分で降壇した。
 3番目の森輝雄(てるお)氏(無所属)は質問に入る前に、原発事故に伴う対策遅れやリーダーシップの欠如を批判し、自らの市長選出馬の理由とした。さらに坂口氏がこの時期に3選への態度をあいまいにしていることに対し、「議会、市民に失礼だ」と述べた後、通告通りに「市長在任2期8年の自己評価を問う」など5項目についてただした。答弁に立った市長が「まず質問していただいたこと、答弁の機会を与えていただいたことにお礼を申し上げます」と切り出すと一部の議員から失笑が漏れた。
 坂井和彦氏(民主)は民主党政権への所見は述べたが、坂口氏の進退問題には触れなかった。
 一般質問最終日は、3氏が坂口氏の思い出をもとに所見を語った。
 納田里織(さおり)氏は、坂口氏がタウンミーティングで市民と向き合う姿勢に信頼感を持っていたが、昨年の子どもの権利条例問題あたりから目が多数派に移ったとし、「市民と向き合わないのであれば、引退を考えてほしい」。
 石田史行(しこう)氏(みんな)は、9年前に保谷駅前で街頭演説をしていた坂口氏に「うるさい」と怒鳴ったのが政治家との初めての出会いだったと打ち明け、「質問の通告はしていないが、政治家はどうあるべきかを答えてほしい」と求めた。市長は「信念を持つこと」と話し始め、自らの政治理念さらには地方議員の心構えにまで話が及び、小林達哉議長から「通告外ですから」と長広舌をたしなめられる一幕も。
 桐山ひとみ氏(無所属)は「ういういしかった私が、市長にかみつくまで成長したことにお礼を申し上げておきたい」と述べた。