地域情報紙こう作る 西東京の市民団体が埼玉・三芳町で出前講座

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 シニア向け地域情報紙を発行する西東京市の市民活動団体「きらっとシニア倶楽部」のメンバーが埼玉県三芳町社会福祉協議会に招かれ、6月19日に同町藤久保公民館で講演やパネルディスカッションを通して、同町の「福祉新聞」作りを後押しした。
 三芳町新座市所沢市の北隣にあり、人口3万8千人余りの商・工・農のまち。高度成長に伴うベッドタウン化などにより高齢化が急速に進むと見込まれるため、町内を6地区に分け、一人暮らしの高齢者の昼食会や気軽に集まれるふれあいサロンを地区ごとに進めることにしている。町社協はこれらを「小地域福祉活動」と名付けている。
福祉新聞を作り、直接手渡すことで相手を見守るのも小地域福祉活動の大きな柱だ。1年ほど前から3地区で実践している。新聞はA4判、2ページで毎月合計500部を印刷。6月号の内容は、ある地区は高齢者にかかわる施設やサークルの紹介し、別の地区では食事会の報告や古希の人の投稿というように、各地区の編集委員が工夫を凝らしている。
これからは新聞のない地区でも発行できるようにすることと、現在発行している地区でもさらなる住民参加が望まれているという。そこで町社協は「シルバーかわら版作成講座」を企画し、この分野で先輩格のきらっとシニア倶楽部に講師役を依頼した。この日の講座には町民24人が参加した。
同倶楽部の情報紙「きらっと☆シニア」はA4判、4ページ。2009年に創刊し、現在24号。毎号5千部を印刷して公共施設などに置いている。吉田正彰さんと有馬将由さんが、テーマの設定から振り返りまでの編集作業の流れや新聞づくりとフォーラム・事業が連携していること、新聞発行に至るまでの活動などをプロジェクターを使って説明。「新聞づくりに大切なのは好奇心」「編集会議は結論を急がず、雑談を続ける力が大事」「活動や紙面作りには遊びの要素を取り入れる」などと強調した。
地元の新聞編集委員2人が加わったパネルディスカッション=写真=では、地元側から「取材がきっかけでスポーツ吹き矢のサークルに入り、人間関係が広がった」「配達先の人と言葉を交わせるようになったり、近所の人から声をかけられたりして、やっと地域に根を下ろせた感じ」「3人ではネタ集めに限界がある。もっとメンバーが必要」などと楽しみや課題が語られた。
きらっと側からは、「情報紙や倶楽部名の認知度が上がり、自分の名前と結びつけて呼ばれるようになり、ほかの活動の間口が広がった」「生活のサイクルに組み込むことで精神的安定が得られる」などの効用が語られる一方で、マンネリ化を自戒する声が出た。
会場の女性が、きらっと側に「女性の勧誘方法は」と問うと、「女性の会員は少ない。どうすれば入ってもらえるか教えてほしい」と逆質問する一幕もあった。