笑って笑って、めでたい結末 「黄金狂時代」

 11月16日、チャップリン映画の上映シリーズ4作目の『黄金狂時代』(1942年サウンド版、72分)を三鷹に観(み)に行った。

 

 有名な人の有名な作品を見て教養を高めたいという欲望から、『キッド』『モダン・タイムス』『独裁者』と毎回観てきたが、どれもどこかで意識が飛んでしまう。

 

 上映時間が1時間に満たない作品にしてもしかり。世間では名作、名演の誉を受けているのになぜ、と自問自答するが、作品を評価するほどの知見を持ち合わせていないので、体調のせいか、相性が悪いのでは、という理由にならない理由で自分を納得させている。

 

 『黄金狂時代』は笑わせるシーンが入念に準備されていて、冒頭崖っぷちを一人で歩く後ろをクマがついて来たり、吹雪で山小屋に閉じ込められ飢餓状態の中で靴をゆでて食べたりと本来怖い状況なのに笑える。山小屋が猛吹雪で吹き飛ばされ、断崖絶壁からの落下を持ちこたえるのも喜劇仕立てだ。

 

 とはいえ、金鉱探しを競う山師と仲良くなり、最終的に億万長者になった展開が思い出せず、モヤモヤ感を引きずった。

 

 酒場で一目ぼれした彼女とのハッピーエンドは後味がよい。全編、風刺的な場面がなかった(と思う)だけに、なおさらすっきりと楽しめた。

 

 次回は来年1月25日に『街の灯』。チケットの予約を済ませた。