<農業講座日記> 菜種と落花生から油搾る(2月25日)

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電動油圧式の機械を使い、菜種油を絞り出す


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生搾り(非加熱)の菜種油をパンに塗り、独特の風味を楽しむ

 

 講座33回目の2月25日は、市民活動団体「西東京菜の花エコ・プロジェクト」による菜種と落花生の油を搾る実演などが谷戸公民館であった。

 

 菜の花エコ・プロジェクトは、農業が好きで資源循環を通して環境や食育問題などに取り組む。畑を提供して講座の実践指導をする保谷隆司さんも会員で、受講者にも菜の花エコの会員がいる。

 

 油を搾る機械は保谷さんの持ち物。種を入れた不織布の袋を筒状のシリンダーの中にセットし、高い圧力を加えて種を押しつぶすことで油を搾る仕組みだ。

 

 電動油圧機器なので簡単な操作で搾油作業ができる。ただ、家庭用の小型機種では歩留まりが小さく、搾油率(原料の重さに対する油の重さの割合)は菜種、落花生とも「10%に満たないのでは」と保谷さん。

 

 菜種は300グラムずつ3回、落花生は計440グラムを2回に分けて機械にかけた。受講者たちは食パンの小片に搾りたての油をつけて生搾りの風味を感じ取っていた。

 

 搾油作業に先立ち、日本や都道県などの食料自給率をめぐるクイズや法律の変遷を通して「まちなか農地の未来」を考えた。

 

 菜の花エコ代表の茂木千佳子さんは「今年から農家と市民が一緒につくる農園事業を始めます」と話し、加入を呼びかけた。

見ごろの「玉縄桜」 ~大船観音へ ウオーキング協会例会

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台風による倒木から再生した玉縄桜の原木

 

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 西東京市ウオーキング協会の2月例会が23日、神奈川県藤沢市から鎌倉市への約9キロのコースであった。11人が参加し、日比谷花壇大船フラワーセンターや大船観音などの見どころを楽しんだ。

 

 JR藤沢駅北口を午前10時に出発し、時宗総本山の遊行寺(ゆぎょうじ)へ向かう。約20分歩き、遊行寺の惣門(黒門)をくぐって「いろは坂」と呼ばれる緩やかな石段を上るころには汗ばむほどの陽気。

 

 樹齢700年といわれる大イチョウの前でジャケットなどを脱ぐ人が目立つ。この大木、本堂側から見ると、幹の樹皮をそいで薬剤を塗ったとみられる大きな灰色の治療痕が痛々しい。

 

 境内では東海道で最大級という木造の本堂や、菊と三つ葉葵(あおい)の両方の紋を持ち、現在も正門として使われている中雀門などを巡り、東門を出て鎌倉道(県道302号)を東へ。

 

 県道312号を北に向かい、「島の神」を過ぎたあたりで右の道に入り城廻地区を進むと玉縄城大手門跡に着いた。住宅に挟まれた狭い通路の入り口は柵で閉ざされていた。この先にあるコンクリート擁壁の上の高台にかつて本丸があり、今は清泉女学院の中高校になっている。

 

 玉縄城東海道と鎌倉をつなぐ要衝の地にあり、戦国大名の先駆け北条早雲(伊勢宗瑞)が1512年に築いた。攻め落とされたことのない堅固な城だったが、徳川幕府一国一城令で1619年に廃城となった。

 

 現存する遺構は極めて少ないとされる中の一つで、大手門跡から近い太鼓櫓跡を訪ねた。ただ小高い台地の地形と案内板のほかに遺構らしさを示すものはなく、七曲坂を下った。坂は市民団体の手でよく整備されていた。歴代の玉縄城主とゆかりの深い龍宝寺の境内を一回りしてから龍寶寺トンネルを抜け、大船フラワーセンターを目指す。

 

 正午を少し過ぎてフラワーセンターに到着。県立の施設だが、命名権を花卉(かき)小売業者に売った。入園料は65歳以上150円。集団行動での見物は後回しにして、まず昼食をとることになった。自由時間は1時間。玉縄桜広場の先のピクニックグラウンドのベンチに分かれて弁当を広げた。

 

 ここでの見ものは「玉縄桜」。龍宝寺の境内では若木が1本五分咲きになっており、玉縄桜広場でも見ごろを迎えたものが少なくない。

 

 ご当地の名をかぶせたとおり、玉縄桜は同センターで生まれ育ち、品種登録された。ソメイヨシノのめしべに別の品種の桜の花粉が付いてできたとみられ、早咲きで観賞期間が長いのが特徴という。今年の場合、ソメイヨシノの東京の開花予想は3月15日(ウェザーマップ)とされるが、センターの玉縄桜は2月3日に開花した。

 

 午後の出発直後、玉縄桜の原木を見た。昨年9月の台風15号(令和元年房総半島台風)で根元から倒れたが、枝や葉を半分以上落とすなどして再生に成功。支柱の助けを借り、誕生から51年になる原木は、ややまばらながらも、淡いピンクの花びらを青空に咲かせていた。

 

 ツツジシャクナゲ園、バラ園、シャクヤク園と見ごたえのありそうなエリアも多く、「違う季節にゆっくり来たいわ」と話すと相づちを打つ女性たち。

 

 フラワーセンターからは、北条氏時が自軍の戦死者を供養するために作った「玉縄首塚」に立ち寄り、最後の目的地の大船観音寺へ。

 

 大船観音寺の参拝料は大人300円。参加者のほとんどが観音像を身近に見るのは初めて。青空と白衣の像との鮮やかなコントラスト、千羽鶴や千体仏を納めた胎内、境内に設けられた原爆慰霊碑など電車の窓からは知ることのできない世界を思い出に午後2時半すぎ、JR大船駅で解散した。

<農業講座日記> 都市農業の役割学ぶ 「バードコール」使い方も(2月18日)

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バードコール」の使い方を教える小野さん

 

 講座32回目の2月18日は谷戸公民館で座学。環境カウンセラーの小野紀之さんから都市農業の役割を聞き、野鳥の鳴き声に似た音で野鳥を呼び寄せる「バードコール」の作り方と使い方を教わった。

 

 小野さんは都市農業が新鮮で安全な農産物を供給するほか、ヒートアイランド現象の抑制や震災時の避難場所になるなど、環境保全に防災にと多面的な役割を果たしていることを説明。

 

 近年は農業がまちづくりやストレス解消のための園芸療法など新しい展開を見せているとも指摘し、「農業講座を受けている皆さんが農家と消費者の橋渡しの役をしてほしい。そのことで農業が続いていける」と期待を述べた。

 

 自然環境を大切にする立場から、受講生全員に小野さん手作りのバードコールがプレゼントされた。断面が約3センチ四方で長さ約4センチのヒノキの直方体と金属の「蝶ボルト」がセットになっている。ヒノキの穴にボルトをねじこんだりゆるめたりすることで、シジュウカラの鳴き声に似た摩擦音を発する。

 

 小野さんは「鳥が鳴きやんだタイミングで、鳴き声と同じリズムと回数で応える」とコツを教える一方、鳥の姿が見えたら鳴らすのをやめないと雄鳥の縄張りを壊し、遠くへ追いやってしまうと注意を促した。

府中 郷土の森公園 梅が見ごろ

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「見ごろ初日」に恵まれた梅園を楽しむ

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「令和」にゆかりのある太宰府天満宮から贈られた梅


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遅咲きもある?ロウバイ

 

 西東京市ウオーキング協会の2月のミニウオーキングは15日、府中市内で行われ、午前中はサントリービールの武蔵野工場見学と試飲、午後は市郷土の森博物館で見ごろを迎えた梅園を楽しんだ。

 

 4月上旬の陽気が予想されたこの日は23人が参加。JR武蔵野線府中本町駅から鎌倉街道を西へ向かい、途中から左の雑田堀緑道に入り南進。中央道をくぐって分梅公園へ。

 

 分梅公園は、新田義貞の軍勢が鎌倉幕府の北条勢を破った「分倍河原(ぶばいがわら)古戦場」として東京都指定の「旧跡」になっている。大きな石碑と案内板が立つ。

 

 石碑でUターンし、咲き始めの梅並木のある新田川緑道を通ってビール工場を目指す。鮮魚店や飲食店が並ぶ卸売市場の中を通り抜けて工場正門を入った。

 

 工場見学は午前10時45分開始。天然水と麦芽、ホップの3つの素材が混じり合った麦汁となるに「仕込み」のタンク群などを見た。試飲は約20分間でビアグラス3杯まで。飲み残してもよいので、3種類を飲み比べる人が少なくなかった。

 

 ビール工場から郷土の森博物館まで約15分。道端には結構田畑が残っている。博物館は展示室やプラネタリウムを備えた本館だけでなく、昔の小学校舎や町役場庁舎、旧家屋などの歴史的建築物、梅園や池、広場のある公園を持ち、入場料は大人300円。

 

 休憩施設「やすらぎ亭」で弁当を食べた後、近くの長屋門をくぐり昔の農具や生活用品を展示する「ふるさと体験館」を見学し、いよいよ梅園めぐり。

 

 博物館の梅園には約60種、1100本が植えられ、多摩地方では屈指の名所だ。2月1日からは梅まつりが始まった。職員は「今日から『見ごろ』です」と話し、ドンピシャのタイミングとなった。

 

 博物館のホームページによると、約7割を占める中咲きが満開となり、遅咲きも5分咲けば、「全体的に見ごろ」としている。

 

 「令和」の元号にゆかりのある太宰府天満宮から寄贈された紅梅と白梅に見入り、遅咲きのはずの品種「紅千鳥」が、ひときわ濃い紅色の花をたくさん開いているのに圧倒された。紅白の花を咲き分ける「輪(りん)違い」は興味深く眺め、「ロウバイの小径(こみち)」ではまだしっかりと黄色い花をつけた木が何本もあり、その都度立ち止まらずにいられなかった。

 

 梅の木の下に、黄色いフクジュソウが鮮やかに咲く区域もあり、梅園に彩りを添えていた。園内は1時間ほど散策。参加者たちは「いい時に来たね」「よかったぁ」など満足げな感想を交わしていた。

 

 府中本町駅から約8キロを歩き、午後3時過ぎ、西武多摩川線是政駅で解散した。

<農業講座日記>カブ、春菊 最後の収穫(2月4日)

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最後の収穫となったカブなどの野菜を分配する受講者

 講座31回目の2月4日は畑への集合が予定より1時間早まり、午前9時となった。立春のこの日は最高気温が3月上旬の13度と予想され、朝の冷え込みも厳しくなかった。

 

 先生から指示された作業は、残っているカブと春菊を全部収穫し、ホウレンソウは大きいものを収穫、玉ネギとメキャベツに追肥をするというもの。

 

 これに先生が出荷するはずだったニンジンが生徒に分けられることになった。暖冬の影響でニンジンの価格が安く、需要も少ないという。ちなみに直売所では中程度の太さのもの2本で100円。

 

 まずカブのうねを覆っていた保温・換気用の穴あきフィルムと、トンネルを固定していたくい、テープを外して片付けた。

 

 収穫作業はカブ、春菊、ニンジンに分かれ、ほぼ同時進行。最後の収穫とあってカブは大小さまざま。春菊は上部のいいところをはさみで切り取る。班の参加人数分に分けて置くが、大小取り混ぜ、小さいものは数を多くと不公平がないように調整する。

 

 メキャベツはジョレンと呼ばれるくわで、うね下に溝を掘り、窒素・リン酸・カリの三要素と微量要素を含む粒状の肥料を規定量まき、軽く覆土。玉ネギも同じ肥料を規定量まいた。私の班は、ベテランの「師匠」が一手に引き受けてくれた。

 

 すべての作業は1時間ほどで終わった。各班の区画は半分以上が黒土に戻った。

 

 最後に先生からニンジンの保存法を聞く。洗わないで地面やプランターに植えると今月いっぱいは大丈夫という。

 

 私の持ち帰りはカブ、ニンジン各7本、春菊1袋分。

<農業講座日記> 農業委員会の仕事から見える西東京市の農業(1月28日)

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都市農業を支える生産緑地だが、ジワリと宅地化が進む


 講座30回目の1月28日は、農業委員会と農協についての勉強会が谷戸公民館であった。主に農業の実践指導をしてくれる保谷隆司さんは、西東京市農業委員会の委員長職務代理とJA東京みらい(東村山・清瀬・東久留米・西東京の4市を管轄)で理事(非常勤)を務めており、興味深い内容だった。

 

 農業委員会が扱う代表的な案件は、農地法に定める相続、転用、売却の三つ。耕作する農地面積が合計50アール以上にならないと農地は買えない。新規就農や面積を増やしたい小規模経営の農家のネックになっている。この下限を割ると、農地として親から子への相続もできなくなる。

 

 市内でも「生産緑地地区」の標識を立てた農地を目にする。何年かすると転用され、駐車場や住宅に―。生産緑地は30年間の営農義務があるとはいえ、固定資産税の税額が宅地並み課税の農地より「趙安」なのには驚いた。

 

 ただ生産緑地の転用は基本的に一生に一度しかできず、他者に売却する人は家計が窮地に追い込まれているケースが多いという。

 

 農地を宅地に変更する届け出の面積をまとめると、平均で1年に2~3ヘクタール。一昨年は約4.5ヘクタールにのぼった。このころの市内の農地面積は約140ヘクタールだから、割合としては大きく、「農のある風景」はどんどん消えていることになる。

 

 一方で、都市農業をめぐる明るい話もあった。生産緑地を貸せる仕組みの法律ができ、市民団体に動きが出てきたという。農家が自分の農地を利用して市民農園を開設できる法改正があり、市と協定を結べば生産緑地も活用できる。これらの審査、決議も農業委員会の仕事だ。

 

 農協関係では、肥料や種苗、農業資材などの迅速な調達や税務相談を理由に「農協は必要」と話した。田無支店は敷地内に新たに「西東京支店」として建設し、市との窓口も保谷支店から西東京支店に移すと述べた。

来年の世界遺産登録へ後押し 縄文フォーラム盛況

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北日本の縄文遺跡群を世界遺産にと開かれたフォーラム

 北海道と青森県など北東北3県の縄文遺跡群を世界文化遺産に登録する動きを加速しようと、関係道県・市町でつくる世界遺産登録推進本部主催のフォーラムが1月25日、東京・有楽町で開かれた。

 

 遺跡群は日本最大級の集落跡の三内丸山遺跡青森市)など、いずれも国の特別史跡または史跡である17遺跡で構成される。

 

 政府は今月16日、推薦書を国連教育科学文化機関(ユネスコ)に提出した。2013年から国内で予選落ちしていた挑戦は、これで審査の舞台を国際機関に移す。ユネスコの諮問機関イコモスの現地調査は9月にも始まり、来年夏の世界遺産委員会で登録の可否が決まる見通しだ。

 

 文化庁の西川英佑文化財調査官は「世界遺産登録と活用の最新情報」と題して講演。世界遺産委員会で近年議論されていることとして、(1)「自然」「複合」に比べて「文化遺産」偏重の改善(2)特定の国やヨーロッパ・北米地域に集中することの是正(3)宗教的モニュメントや歴史的都市など類型的なものが多いことへの反省―を紹介した。

 

 また専門家による助言機関が委員会に出す勧告は4段階あり、助言機関が「情報の追加が必要」などと勧告しても委員会は登録を決めるという「ずれ」も生じている。これは今回の縄文遺跡群のように、いくつもの遺跡や遺物をつなぎ一つのストーリーにして推薦したり、多様な価値を持つものが増えたりしたことで、意見が分かれやすいほか審査期間の短いことも影響しているという。

 

 水ノ江和同・同志社大文学部教授は「日本列島の縄文文化と『北海道・北東北』」のテーマで話し、縄文文化の総体を知るうえで日本列島のどの地域も不可欠としながらも、ユネスコに推薦した構成資産は縄文時代の始まりから終わりまでを含み、環状列石もあるなど「年代・種類がバランスよくまとまっている」と評価。

 

 縄文文化を代表する他の遺跡を追加して網羅するべきだとする意見に対しては否定的な見解を示した。推薦された遺産群がすべて史跡に指定され、研究成果をまとめた報告書も刊行されていることに加え、2006年から続く地域に根付いた取り組みであることを理由に挙げた。

 

 講演の最後に立った縄文遺跡群世界遺産登録推進会議の岡田康博座長は「ここまできた『北海道・北東北の縄文遺跡群』と最新情報」と題して話した。

 

 全容解明へ発掘調査の継続、遺跡の全体像が詳しくわかる総括報告書の刊行、ガイダンス施設の整備など遺跡を巡る最近の動きを紹介し、「この地域の遺跡群で、定住の開始・発展・成熟の過程を説明できる」。

 

 フォーラムへの参加は定員600人、先着順で募集されたが、応募期限を待たずに定員に達したといい、縄文人気の高さをうかがわせた。