
柳亭市場独演会が11月15日、三鷹芸術文化センターであった。
「満員御礼」の札が会場入り口に出ており、入り口で手渡された番組表のとおり、前半は前座の柳亭市遼の後、後半は3年前に真打に昇進した弟子の柳亭小燕枝を前に置き、トリを務めた。
演目は前半が「御神酒徳利(おみきどっくり)」。紅白歌合戦や忘年会、新年会などこの時期に合わせた話をマクラに、旅籠(はたご)の番頭の善六さんが、女房が入れ知恵した「そろばん占い」により3度、失せ物を探し当てて大成功を収めるというおかしくもめでたい噺(はなし)を熱演。
トリで演じた「二番煎じ」は冬の夜、防火の夜回りをすることになった旦那衆が酒やイノシシ肉などを番所に持ち込み、しし鍋を囲んでいるところへ役人が監視に訪れる話。旦那衆の仲間意識や役人との緊張関係となれ合いのような微妙な空気感が嫌味なく語られ、笑いに変えられてしまう。
豊かな声量で抑揚の効いた語り口と軽妙でいてスキのない所作から繰り出される連続技。名人の落語は、分断とか差別とか不平等といったギスギス感が覆う現世をひととき忘れさせてくれる。