NPO法人防災情報機構会長・伊藤和明さん=写真=の講演会「富士は生きている~歴史に見る富士山の噴火~」が4月5日、多摩六都科学館であった。同科学館が企画する「学ぼう自然災害」の一環で、約50人が熱心に聞き入った。
最近の噴火は、現在の暦で1707年の12月16日。徳川綱吉の時代、「宝永地震」の49日後に南東斜面から噴火し、2週間続いた。いくつもの村が埋まり、飢饉が襲い、足柄平野は大洪水に見舞われた。江戸でも3、4センチの降灰があり、呼吸器疾患が大流行した。
伊藤さんは「富士山は300年余り、寝たふりをしているだけ。必ず噴火する」と断言。
また噴火や地震が引き金になって起きる「山体崩壊」が最も恐ろしいと指摘。噴火による山体崩壊で「米国の富士山」の姿が一変したセントヘレンズ山(1980年)や長野県西部地震で山体崩壊が起き、ヒノキの美林が大規模にはぎ取られるなどした御嶽山(1984年)について、自ら現地を取材したときの写真を使って破壊力のすさまじさを説明した。(下の写真は講演会の様子)