たばこと塩の博物館を見学 根付を特別展示

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 西東京市郷土文化会の6月例会は7日、東京・墨田区たばこと塩の博物館で行われ、28人が参加した。
 
 博物館は都営浅草線本所吾妻橋駅から徒歩約10分。A2出口から地上に出ると、天を衝く東京スカイツリーの先端が雲でかすむ空模様。
 
 1階エントランスホールに入ると、彫刻を施した大理石風の円柱が目を引く。ポーランドの地下深くから掘り出した重さ900キロの岩塩だった。
 
 学芸員から「専売」の歴史を聞き、しょうのうも専売品目だったことを教わって2階の常設展「塩の世界」へ。塩づくりの歴史がジオラマ模型や写真パネルなどで説明されている=写真。
 
 学芸員はさらに、日本は塩が取れにくく岩塩よりもコストがかかること、国内では地勢によって価格差が大きくなるので専売制になったことなどの解説を加えてくれる。ポーランド産岩塩の太い円柱がここにもあった。
 
 3階の常設展は「たばこの歴史と文化」。植物としてのたばこは南米アンデス地方が原産地とされ、紀元前からあったが、人間がいつから吸うようになったのかはわかっておらず、600年代の遺跡という「たばこを吸う神」の復元レリーフが入り口を飾っていた。
 
 たばこがナス科で、肥えていない土地でも育つため、日本では年貢米の代役として栽培されたという話はうんちくの一つになりそうだ。
 
 特別展は「細密工芸の華 根付と提げ物」が開かれている(73日まで)。江戸時代の町人は印籠(いんろう)やたばこ入れなどの提げ物を持ち歩くとき、落とさないようひもや鎖で留め具に結び付けた。その留め具が根付で、今ならキーホルダーのようなものという。
 
 象牙やツゲなどの堅い木を、神技と思える技術で手のひらに収まるほどの大きさの精緻な彫刻作品に仕上げている。江戸期の名作から近代根付の巨匠と呼ばれる森田藻己(そうこ)とその弟子らの作品まで約450点が展示されている。
 
 超絶技巧や豊かな物語性に、「観察力もすごい」「どんな道具を使ったのかしら」などと感想を語り合っていた。(下の写真はエントランスホール、たばこを吸う神のレリーフ
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