袋田の滝と岡倉天心とアンコウ鍋 茨城北部の旅(2の1)

イメージ 1
 西東京市東久留米市の旅好きシニア男性でつくる「SE会」の6人が122223の両日、アンコウ鍋を一番のお目当てに茨城県北部に出かけた=写真は袋田の滝第1観瀑台。

 初日の目的地は袋田の滝大子町)。JR常磐線の上野発午前10時の特急「ひたち」に乗車、水戸で水郡線に乗り換え、袋田下車。駅前から路線バスに乗ると、終点が袋田の滝(滝本)だ。

 水郡線の乗車時間は73分で特急の65分より長い。ディーゼル車2両のワンマン列車で、袋田に近くなると乗降客が1人もいない駅が珍しくない。踏切やトンネル、カーブの手前でこまめに警笛が鳴り、降りるときは運転席の後ろのドアしか開かない、などの発見があった。

 袋田駅前発のバスは14本。接続が極めてよく、すぐに午後零時30分発に乗れた。ほかに乗客はおらず、終点まで10分ほどの間、貸し切り直行だった。運転士は帰りのバス停の場所と発車時刻について何度も念を押した。

 バスを降り、腹ごしらえするため食堂を探すが、大きなレストランは週末のみの営業と表示。周りに観光客の姿は見えず、オフシーズンを実感。先へ行くと、食堂の半開きのドアから遠慮がちに手招きする人が見えたが、店構えに誘われて「昔屋」に入った。5人が「元祖けんちんそば」、1人が「地鶏つけそば」を食べ、どちらも好評。荷物も預かってくれた。

 昔屋を1時30分に出発。300円の施設利用券を買い、滝へのトンネルに入ると、天井を赤い明りの管がくねりながら続く。第1観瀑台(かんばくだい)に出ると、目の前いっぱいに白い滝のカーテンが広がる。電光温度計は「10.8度」を表示していた。

エレベーターと階段で第2観瀑台に上ると、4段の滝であることがわかる。高さ120メートル、幅73メートルという大きさは遠目にはピンとこないが、日光の華厳の滝、熊野の那智の滝とともに日本三大名瀑と呼ばれる。すでに紅葉の名残はなく、4月に来たという仲間の1人は「水量も半分ぐらい」と物足りなさそうだった。

 帰りはつり橋を渡り滝川の対岸側を歩いた。3時10分発のバスまで小1時間あり、昔屋で熱かんを飲むことにした。こんにゃくの刺し身と漬物が先に出てきて、こんにゃくの食感は特に好評。トマトや竹炭で着色したことにも感心し、地酒の熱かんのちょうしを1本追加したのだった。

 袋田から水戸に出て常磐線いわき行き特急ひたちで磯原へ。普通列車に乗り換え、一つ目の大津港駅北茨城市)で降りたときはすっかり暗く、6時になっていた。宿泊予約先の五浦(いつうら)観光ホテル別館大観荘から迎えの車が来ていた。

 五浦(いつうら、いづら)海岸の崖に建つホテルはフロントが4階にあり、部屋は5階が割り当てられた。ホテルまでの駐車場は入場する車で混み合い、ホテルの宴会場は早くも盛り上がっていた。日帰りの温泉入浴客が多く、職場などの忘年会も今がたけなわなのだという。

 急いで湯を浴び、待ちかねた夕食は1室があてがわれた。アンコウ鍋に火が入っている間にも造りやカサゴの煮つけ、アナゴと野菜の天ぷら、陶板焼きの常陸牛(ひたちぎゅう)と運ばれてきて、それでも完食を自慢する人がいた。その分、地元の焼酎1瓶は飲み残し、帰京の車中へと持ち越した。

 長旅の疲れと満腹感のせいか、部屋を移っての二次会は珍しく成立せず、潮騒を聞きながら早く床についた人が多かったようだ。(下の写真は左から袋田の滝第2観瀑台、好評だった刺し身こんにゃくと漬物)
イメージ 2イメージ 3