「夕焼小焼」の情景 八王子・陣馬街道を歩く

イメージ 1
 西東京市ウオーキング協会の12月例会は18日、八王子市内の陣馬街道であり、童謡「夕焼小焼(ゆうやけこやけ)」を生んだ情景をたどった=写真は宮尾神社境内にある歌碑。

 今年最後の例会は、それまでの厳しい冷え込みから一転、穏やかな冬晴れに恵まれた。陣馬街道は甲州街道(国道20号)の北側をまわる裏街道。

 16人が参加し、午前9時半すぎ、高尾駅北口バス停から西東京バスの陣馬高原下行き定期便に乗り込んだ。乗車時間25分で着く夕焼小焼バス停から約5時間かけ、見どころに立ち寄りながらバス路線とほぼ同じ道をJR高尾駅に戻るというコース設定だ。

 夕焼小焼バス停から車道を渡り、高留橋を渡ってすぐ右に曲がると、夕焼小焼の歌碑がある宮尾神社への道。舗装された道と石段を5分ほど上る。境内に大きな石碑が鎮座していた。作詞した中村雨紅(本名・高井宮吉)はこの神社の神官の三男で教職をつとめた。

 下りは途中から左に曲がり、レクリエーション施設「夕やけ小やけふれあいの里」に出た。農産物直売所には、地元産の野菜や果樹がたくさん並んでいた。入場はせず、小休止して街道を少し下ると雨紅と高井家の墓がある。

 歌詞のモデルの一つとなった鐘のある興慶寺には山手に入る。坂と階段がかなり長く、汗ばむ。鐘は本堂横の山道をさらに上らなければならず、時間の関係もあって鐘楼らしいものを遠目に見るだけだった。

 1日を通して鐘の音が聞こえることはなかったが、霜で真っ白な日陰の道や北浅川のマス釣り、畑で大根を抜き取るおばあちゃん、ユズの無人販売など多くの初冬の風景に出合えた。

 弁当を食べるため境内を借りた皎月院(こうげついん)では大量の赤い実を付けたピラカンサに目を見張り、浄福寺では住職が寺の歴史や背後の山の裏側にある浄福寺城跡について丁寧に説明してくれた。200年以上の樹齢を持つしだれ桜と梅の木もあり、しだれ桜は4月初めに見頃になるという。

 川原宿バス停の少し前で陣馬街道から右に入り、妙法寺を経て最後のアップダウンとなる美山通り(都道61号)~高尾街道に出て高尾駅に着いた。夕焼小焼バス停から歩いた距離は約11キロ。(下の写真は左から陣馬街道の上恩方町、皎月院のピラカンサ
イメージ 2イメージ 3