同美術館の研究員が、開国によって日本の文物が西洋に渡ると、驚きの目で好意的に迎えられ、19世紀後半から20世紀初頭にかけて美術、文学、音楽などの創作活動に生かされたと説明。その中でも絵師北斎は圧倒的な存在感を放ち、技術だけでなく作品の持つユーモアも人気を集めたという。
展覧会は6章で構成。第1章「北斎の浸透」で、北斎作品が紀行文などの挿絵に引用されたり模写されたりしたほか、北斎マニアともいえる浮世絵コレクターが存在したと指摘。そのうえで、人物、動物、植物、風景、波と富士の主題別に、北斎の錦絵・版本とモネ、ドガ、セザンヌらの絵画、皿などの装飾工芸、彫刻との類似性を映像で比較・解説した。