北斎作品が西洋に与えた影響 国立西洋美術館で学ぶ

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 西東京市谷戸公民館主催の教養講座「葛飾北斎入門」(全3回)の最終回は1031日、「北斎ジャポニスム HOKUSAIが西洋に与えた衝撃」展が開催中の東京・上野の国立西洋美術館講堂で行われた=写真。

 同美術館の研究員が、開国によって日本の文物が西洋に渡ると、驚きの目で好意的に迎えられ、19世紀後半から20世紀初頭にかけて美術、文学、音楽などの創作活動に生かされたと説明。その中でも絵師北斎は圧倒的な存在感を放ち、技術だけでなく作品の持つユーモアも人気を集めたという。

 展覧会は6章で構成。第1章「北斎の浸透」で、北斎作品が紀行文などの挿絵に引用されたり模写されたりしたほか、北斎マニアともいえる浮世絵コレクターが存在したと指摘。そのうえで、人物、動物、植物、風景、波と富士の主題別に、北斎の錦絵・版本とモネ、ドガセザンヌらの絵画、皿などの装飾工芸、彫刻との類似性を映像で比較・解説した。

 北斎漫画の「風呂屋」(部分)とドガの「背中を拭く女」では、女性の裸体には美を追求するという当時の西洋の規範的な潮流に対し、「ありのままの人間、ありのままの身体の新しい表現」と話した。

 「北斎ジャポニスム」展は来年1月28日まで。受講後、観覧に向かわなくても、「後日ゆっくりと見に来たい」と話す人が多かった。(下の写真は展覧会の看板と国立西洋美術館
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