秩父駅の駅舎前。リーダーの女性が「『どこいくべぇ』という名前の開運案内板です」と指さす先に、言葉で説明しようとするととても長くなりそうな、細い塔のようなものがあった。祭り屋台をヒョロンと伸ばし、舞台の上に十二支や星座などにちなむオブジェを置き、土台の石が近くの名所を書いた道しるべになっている。「全部で100カ所あります」と言う通り、この先でたくさん目についた。
秩父神社の境内では、この日のイベント「キャンドルナイト」の準備が、主催する青年会議所の人たちの手で進んでいた。ろうそくを入れる輪切りの竹が渦状や蛇行して並ぶ。今年は6千本がともされるという。午後からは雨の予報だが、開催できたのだろうか。
番場通りを途中で右折し、秩父霊場発祥の地・今宮神社(別名・八大龍王宮)と慈眼寺に立ち寄り、午後零時50分ごろ西武秩父駅前で解散した。今宮神社では秩父最古といわれる「龍神池」と、幹の空洞に龍神が住むと伝わる樹齢1千年の大ケヤキ「龍神木」にしばし見とれ、慈眼寺ではメグスリノキの樹皮などからエキスを抽出した茶を飲ませてもらった。「午後から雨」の天気予報は、この慈眼寺で的中した。
それまでは「姿の池」でパラパラと降り、「尼僧が泣いているのかも」と冗談めいた声が出る程度だったが、振り返ればなんと「水」に縁が強かったことか。「神話と歴史の街」と銘打つにふさわしい秩父ウオーキングだった。(下の写真は左から、人柱の伝承がある「姿の池」、推定樹齢1千年の今宮神社の「龍神木」)