神話と歴史の街・秩父を歩く 市民体力づくり教室

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 西東京市主催の市民体力づくり教室「秋のウオーキング」は1028日、埼玉県秩父市の市街地を中心に約6.5キロのコースで行われ、約60人が参加した=写真は見晴らしの丘から秩父市街を望む参加者。

 西武新宿線田無駅北口ペデストリアンデッキに集合し、西武秩父線横瀬駅の駅前広場で体をほぐし午前1020分ごろ出発。6つのグループに分かれ、それぞれスポーツ推進委員がリーダーを務めた。

 駅から10分ほどで、尼僧を人柱にしたと伝わる農業用ため池の「姿の池」に。池を半周し、見晴らしの丘に上って秩父市街地を一望した。

 来た道を戻り、「牧水の滝」へ。若山牧水が大正時代にたびたび秩父地方を訪れたことにちなむ歌碑と小さな人工の滝を見る。階段を下りると池や水車があり、住宅街に入った。近くの「ちちぶ銘仙館」横で休憩。

 「道の駅ちちぶ」では、埼玉県で最初に建設された浄水場からの水道水をPRする「おいしい水」を味わうなどした後、秩父鉄道の踏切を渡り、コースは線路西側の地域に移った。

 秩父駅の駅舎前。リーダーの女性が「『どこいくべぇ』という名前の開運案内板です」と指さす先に、言葉で説明しようとするととても長くなりそうな、細い塔のようなものがあった。祭り屋台をヒョロンと伸ばし、舞台の上に十二支や星座などにちなむオブジェを置き、土台の石が近くの名所を書いた道しるべになっている。「全部で100カ所あります」と言う通り、この先でたくさん目についた。

 老舗の酒蔵、武甲酒造の柳田総本店店舗は国の有形文化財に登録された江戸時代後期の建物。国道299号に面した切り妻造りの外観を眺めただけて裏手に回り、武甲山の伏流水という名水を飲む。

 秩父神社の境内では、この日のイベント「キャンドルナイト」の準備が、主催する青年会議所の人たちの手で進んでいた。ろうそくを入れる輪切りの竹が渦状や蛇行して並ぶ。今年は6千本がともされるという。午後からは雨の予報だが、開催できたのだろうか。

 番場通りを途中で右折し、秩父霊場発祥の地・今宮神社(別名・八大龍王宮)と慈眼寺に立ち寄り、午後零時50分ごろ西武秩父駅前で解散した。今宮神社では秩父最古といわれる「龍神池」と、幹の空洞に龍神が住むと伝わる樹齢1千年の大ケヤキ龍神木」にしばし見とれ、慈眼寺ではメグスリノキの樹皮などからエキスを抽出した茶を飲ませてもらった。「午後から雨」の天気予報は、この慈眼寺で的中した。

 それまでは「姿の池」でパラパラと降り、「尼僧が泣いているのかも」と冗談めいた声が出る程度だったが、振り返ればなんと「水」に縁が強かったことか。「神話と歴史の街」と銘打つにふさわしい秩父ウオーキングだった。(下の写真は左から、人柱の伝承がある「姿の池」、推定樹齢1千年の今宮神社の「龍神木」)
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