施政方針 トップ項目に「恒久平和」

設置から20年以上たち、夜間も映えるように改良される「平和のリング」

 池沢隆史市長は2月24日に開会した第1回定例会で述べた施政方針で「恒久平和への願いについて」をトップ項目に据えた。昨年の施政方針でトップだった「新型コロナウイルス」は2番目となった。

 

 ロシアのウクライナ軍事侵攻が始まって1年。施政方針の総論ともいえる「はじめに」の中で侵攻に触れ、駐日ロシア連邦大使館に侵攻の即時停止と平和的解決を訴える抗議文を送ったことや、ウクライナから避難して市内に住む人への支援を盛り込んだ。

 

 これを受けて「恒久平和への願い」は西東京市に絞り込んで記述。1945年4月12日の田無駅付近への大空襲をきっかけに条例で「西東京市平和の日」を定めたり、非核・平和都市を宣言したりした歴史をふり返り、新たな取り組みを挙げた。

 

 その一つは「子ども・若者平和ワークショップ」(仮称)の開催。平和のために自分たちに何ができるかを考える機会として5月か6月の実施を予定している。

 

 爆撃地点近くの田無駅北口広場に1996年に設けられた「平和のリング」は、噴水と合わせて補修する。リングはライトアップするなど夜間でもリングが照明で浮かび上がる仕掛けにするという。

 

 旧田無市の初代市長だった指田吾一氏が広島で被爆しながらも軍医として被爆者の治療に当たったときの手記「原爆の記」を原作とするアニメ(約10分)の制作が進んでおり、アスタビルで行われる「平和の日」記念行事として上映が予定されている。