28日から定例市議会 焦点は庁舎統合方針の大幅見直し

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耐久力調査費が盛り込まれた田無庁舎。統合庁舎建設の行方を左右する


 西東京市議会の第2回定例会は5月28日から開かれる。池沢隆史市長が2月の市長選で初当選して間もないことから4-6月は暫定予算が組まれており、今議会に出される予算案が新市長色の強い本格的なものとなる。

 

 幅広い分野の行政サービスにつかう一般会計の今年度の予算総額は前年度当初比4.9%減の722億3千万円。減額は中原小学校の校舎などの建て替え事業完了によるところが大きい。

 

 金額は小さくても大きな論議に発展しそうなのは、田無庁舎の耐久力調査の費用として盛り込まれた約660万円だ。

 

 池沢市長は3月の第1回定例会の所信表明で、統合庁舎の建設について「一度立ち止まり、行財政基盤の強化を図る必要がある」と述べた。さらに質疑の中ではデジタル化の進展、国や東京都からの権限移譲、市民ロビーなどのサービス需要などを理由に加え、2016年12月に策定した「庁舎統合方針」の機能、規模、建設時期、位置と大幅な見直しを表明した。

 

 今回の一般会計予算案に約1億1600万円を計上し、2カ年かけて解体する保谷庁舎の敷地活用についても、民間事業者に敷地を有償貸付する官民連携事業(2029年度まで)でにぎわいをつくり出すという基本方針を「あらためて整理したい」とした。

 

 現行の庁舎統合方針は、中央図書館・田無公民館の合築複合化案が途中で消える一方で、「市中心エリアで新たな用地」とされた建設場所に「現在の庁舎敷地」が候補地に加えられるなど曲折を重ねてきた。

 

 田無庁舎の耐久力調査ではコンクリートの状況や強度、鉄筋の腐食状況の調査などが予定され、この結果を踏まえて統合時期(現行2033年度)や位置を含む庁舎統合方針の見直しへと進む見通しだ。

 

 所信表明以後、池沢市長の考えがどう整理され、新たな展望は示されるのか。施政方針と代表質問、予算特別委員会での議論が注目される。