市財政を家計に置き換え「危機感伝わらぬ」

 西東京市財政課による出前講座は10月19日、出前を要請した「市政これでいいの会・西東京」(広中宏代表)のメンバーを含む12人が参加してイングビルで行われた。
 テーマは2011年度決算をめぐり「どこにお金が使われたか?」。市の担当課職員4人が「西東京市財政白書 平成23年度決算版」を基に説明した。
 説明後の質疑応答では、市の決算数値を1万分の1に縮小して家計に置き換えた家計状況について質問や意見が集中した。
 財政を家計に例えると、収入は679万円で、支出は667万円。収入の内訳は、家族で稼いだ金額(市税などの自主財源)が最多で346万円。次いで実家からの仕送り額(国庫支出金、地方交付税などの依存財源)が251万円、住宅ローンなどの借入額(市債)59万円、貯金を下ろした額(基金繰入金)23万円となる。一方、支出は税金・社会保険料・食費などの生活費(人件費、扶助費、物件費、補助費など)が440万円と群を抜く。ほかは子どもへの仕送り額(繰出金)、家の増改築費用(普通建設事業などの投資的経費)、住宅ローンなどの返済額(公債費)、貯金額(積立金)の順となっている。
 収入と支出以外に貯金残高(財政調整基金などの積立基金の年度末現在高)が93万円、ローン残高(市債残高)が572万円で、それぞれ家族で稼ぐ収入のどのくらいの割合になるかも示した。
 市の説明によると、生活保護費などの扶助費や公債費などの歳出が増加傾向にあるのに対し、歳入は人口増にもかかわらず個人所得の低迷状態が続いており、「財政は引き続き厳しい状況」という。参加者からは、「家計の例えからは市財政の何が問題なのかが見えず、危機感が伝わらない」「財政に余裕がないことが具体的にわかる工夫を」などの声があり、ローン(市債)残高については「特別会計の分も明らかにするべきではないか」との意見もあった。