<西東京市議会>虐待事件 報告めぐり8氏が質疑 定例会始まる

 西東京市の中学2年の男子生徒が継父による虐待で自殺したとされる事件について、丸山浩一市長と江藤巧教育長は829日開会した第3回定例市議会の冒頭で報告した。そこで示された再発防止のための対応などに対し、8氏が質問した。
 
 市長報告は「重大かつ深刻な事態」と受け止め、教育委員会と連携を強化し、児童虐待の早期発見・早期対応に向けて「全庁一丸となって取り組んでいく」とした。
 
 教育長報告は、生徒が継父の暴力によってけがをしたことを2回確認していたのに児童相談所などに通告していなかったこと、中学校の教職員に児童虐待への感度が低いことなどの課題を挙げた。
 
 そのうえで、前日、全市立小中学校教員を対象に児童虐待防止の研修会を開いたほか、学校管理職や教員などを対象に研修会を毎年実施すること、全校に児童虐待防止の専門組織をつくること、市教委が事例集をつくることなど当面の再発防止策を示した。
 
 質疑を通し、市長部局は新たに要保護児童対策協議会の庁内連絡会議を立ち上げ、子育て支援部のほか市民部、福祉部、生活文化スポーツ部など幅広く取り込んだことや副市長をトップとする庁内検証組織も9月中にスタートさせる考えを明らかにした。
 
 市教委は、同じ学校の生徒たちの心のケアを図るため、夏休み中もスクールカウンセラーが相談に応じられる態勢をとり、生徒の心理に関する教員研修会を29日に開いて新学期に備える。また9月1日には心と体の健康診査と担当教員による生徒全員面接を行うと述べた。
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 第3回定例市議会は8月29日招集され、会期を9月30日までの33日間と決めた。
一般会計など7つの補正予算案は予算特別委に、新たな条例案や条例の一部改正案などは所管の常任委に、陳情は常任委と議運委に付託された。
 一般会計補正予算案は18億2300万円を追加し、総額716億4000万円となっている。
 9月1日から一般質問が始まる。