
発行元のきらっとシニア倶楽部は2011年に福島県下郷町、13年に山梨県北杜市(旧須玉町)を訪ねており、西東京市と提携する姉妹・友好都市訪問はこれで一巡した。コースはいずれも自主企画で、貸し切りバスを使い、現地に1泊。勝浦には9月14、15日に訪れた。
勝浦特集の1面は、日本三大朝市の一つで400年余りの歴史を持つ朝市。8年ぶりに来た千葉県内の中年夫婦と店主の対面販売ならではのやりとりを中心に、店と地元客とのなじみの深さや意外と農産物の出店が多いことへの驚きなどがつづられている。
主な見どころは2面でも取り上げた。両市の友好都市提携のきっかけとなったのは、江戸時代の彫り物名人の嶋村俊表(しゅんぴょう)が、西東京市の田無神社本殿(東京都指定有形文化財)を造り、勝浦では上本町などの祭り屋台(市指定有形文化財)に多くの彫刻をほどこしていたことだ。関係者の計らいで屋台に上り、間近に作品を鑑賞できたという。
勝浦市民がどのくらい西東京市を知っているのかを聞き取り調査した結果が3面にある。回答者数は37人で、場所も朝市通りが多いという条件付きだが、約6割の21人が「地名」を知っており、そのうち友好都市の提携を知っているのは3人に2人の割合だった。
一方、西東京市は多くの市民に姉妹・友好都市と交流を深めてもらおうと、契約旅館やホテル、民宿を利用する場合、宿泊費の一部を助成している。2014年度は延べ213人が利用し、前年度のほぼ2倍になったという。
終面は、今回の旅行委員代表が「おもてなしに満たされた旅」と振り返り、きらっとシニア倶楽部副代表が3回にわたる姉妹・友好都市訪問を踏まえて「官民ともに不断の交流を」と提言している。