栃木県立博物館と大谷資料館を訪ねる 郷土文化会

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 西東京市郷土文化会の5月例会は2日、栃木県宇都宮市栃木県立博物館大谷石の採掘跡で知られる大谷資料館=写真=で行われ、28人が参加した。

 貸し切りバスを使い、西東京郵便局前を午前8時30分に出発。東北道を走り、1120分すぎに栃木県立博物館に着いた。

 建物に入ると、豪華な屋台と巨大な舞台背景の「山」に迎えられる。昨年、ユネスコ無形文化遺産に登録された「山・鉾・屋台行事」の一つ、那須烏山市の「山あげ祭」で使われるものだ。

 その向こうにらせん状のスロープが見える。この博物館の「見せ方」の特徴となっているのが「スロープ展示」で、標高によって変わる日光地方の自然や動植物の姿が、壁のパネル写真や剥製、標本などを見ることでわかるという仕掛け。

 解説員の背景説明もわかりやすく、ツキノワグマが登るコメツガの木、3D眼鏡をかけたように立体的に見える白根山山頂のジオラマは記憶に残る。

 見学時間が足りなくなり、「展示室1」を駆け足で回った。いきなり恐竜の模型やナウマンゾウの骨格模型が待ち構えていたが、県内で化石は見つかっておらず、「地質時代を語るのに欠かせない生き物として」(解説員)置いたという。

 この展示室は地質時代から現在までの栃木の歴史を総合的に理解できるようになっているが、足利学校や江戸時代の宇都宮城下、日光山内などについてポイント解説があった。

 昼食後、バスに戻るために歩いた県の中央公園は、池と木々の新緑がつくる広い庭園やまっすぐなユリノキの並木道が美しく、心が和むのだった。

 バスは30分もかからないで大谷資料館に着いた。バスを降りると、垂直な石の壁がすぐ目に入り、地底探検への好奇心をそそる。

 「うつのみやシティガイド」の女性に案内された地下30メートルの世界は、石を切り出した跡である、いろいろな高さと広さの空間がつながっていた。全体で東京ドーム1つ分というが、想像がつかない。

 この日の気温は7度。結婚式にも使われ、「寒くて披露宴がない分、安上がり」とか。大谷石マイナスイオンを出し、においを吸い取るので、坑内が臭くなることはない。コウモリのふんが見つかったことがないので、坑内に生息していない―など話題は多い。

 冬の乾燥した時期に石が塩分を噴き出し、白っぽい結晶の「石の華」になって付着していた。指で少しつまみ、なめてみた。やわらかい塩味だった。

 午後3時すぎに資料館を後にし、鹿沼インターチェンジIC)から東北道に乗り、6時30分ごろ帰着した。(下の写真は左から栃木県立博物館のスロープ展示、大谷石の地下集荷場は今「石舞台」)
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