幽霊図や妖怪画の印象が強く残る河鍋暁斎(かわなべきょうさい)(1831~89)が、実は勉強家で真面目な作品が多いと、テレビの美術番組や新聞の展覧会紹介記事で知った。学芸員がスライドを使って見どころを解説する3月17日、「河鍋暁斎 その手に描けぬものなし」(東京・六本木、サントリー美術館)を見に行った=写真は美術館入り口。
暁斎は7歳で浮世絵師・歌川国芳の下で絵を学び始めるが、10歳のときに狩野派に入門。修行し学んだものが第2章の作品に表れているという。「日課観音図」はそんな一幅で、このころはどれほど深酒をしても観音像を1日1枚描くことを自らに課していたそうだ。
古画に学んだものとして、鳥獣戯画の模写を参考にしたとみられる「蛙(かえる)の蛇退治」や、京都・知恩寺に伝わる元(中国)の顔輝の絵に影響を受けたとされる「蝦蟇(がま)仙人・鉄拐(てっかい)仙人図」などを挙げた。
(下の写真は、写真撮影できるスポットで記念撮影する来場者)