戯画、幽霊、妖怪画…いえ、まじめな勉強家 河鍋暁斎展

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 幽霊図や妖怪画の印象が強く残る河鍋暁斎(かわなべきょうさい)(183189)が、実は勉強家で真面目な作品が多いと、テレビの美術番組や新聞の展覧会紹介記事で知った。学芸員がスライドを使って見どころを解説する317日、「河鍋暁斎 その手に描けぬものなし」(東京・六本木、サントリー美術館)を見に行った=写真は美術館入り口。


 展覧会には英国からの里帰り作品を含む120点余りが集められ、この日は約100点が展示されていた。代表作を紹介する「暁斎、ここにあり!」から「暁斎をめぐるネットワーク」まで7つの章で構成。


 サントリー美術館の池田芙美主任学芸員は、これまでの暁斎展では見られなかった「狩野派絵師として」(第2章)と「古画に学ぶ」(第3章)に注目してほしいと強調した。


 暁斎は7歳で浮世絵師・歌川国芳の下で絵を学び始めるが、10歳のときに狩野派に入門。修行し学んだものが第2章の作品に表れているという。「日課観音図」はそんな一幅で、このころはどれほど深酒をしても観音像を11枚描くことを自らに課していたそうだ。


 古画に学んだものとして、鳥獣戯画の模写を参考にしたとみられる「蛙(かえる)の蛇退治」や、京都・知恩寺に伝わる元(中国)の顔輝の絵に影響を受けたとされる「蝦蟇(がま)仙人・鉄拐(てっかい)仙人図」などを挙げた。


 暁斎が懐に入れて持ち歩いていたメモ帳「暁斎手控帖(てびかえちょう)」は初公開。所蔵する河鍋暁斎記念美術館(埼玉県蕨市)でも公開したことがないという。


 学芸員による見どころトークは定員80人の会場が満席。再び展示室に向かう人が多く、1点1点を丁寧に鑑賞していた。同展は31日まで(火曜休館)。


(下の写真は、写真撮影できるスポットで記念撮影する来場者)
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