エコロジー社会だった江戸

 NPO法人東京雑学大学の第834回講座は5月3日、西東京市民会館で開かれた。川口順啓・金沢学院大客員教授西東京市在住=から、「エコロジー社会・江戸」について学んだ。
 江戸時代の中頃、多くの町人は狭い長屋に住み、衣服はお下がりや仕立て直して大事に使い、野菜や魚などの食材は行商人から買う。大ざっぱに言うと、こうした身分相応のつましい暮らしの中で、古着屋やげたの歯入れ、鍋かまを直す鋳掛(いかけ)屋、灰買い、古傘買いなど生活用品の再生利用にかかわるさまざまな職業があり、大名などから贈答品を買い取る献残(けんざん)屋も繁盛したという。
 武家屋敷からし尿をくみ取り、農業生産へ循環したことに関連して、田無村の名主・(下田)半兵衛が一橋家の用人に宛てた、くみ取りのお礼に大根か金のどちらかを選んでほしいという内容の書状や礼金などを明記した契約書など史料の解説もあり、受講者の関心を呼んだ。
イメージ 1