屋敷林で民具展示 野外講演会も 西東京市・高橋家

イメージ 1 「屋敷林とむかしのくらし~装う・食す・住まう」と銘打った民具展示が11月3日、屋敷林に囲まれた高橋家の敷地=西東京市保谷4=で行われ、家族連れなどでにぎわった。
 市教委が東京文化財ウイークの行事として毎年テーマを変えて開催しており、今年で4回目。
 綿入れはんてん、炭火アイロン、石うす、茶ばかり、陶製湯たんぽ、消し炭つぼなど、市郷土資料室と個人が保管する明治から昭和30年代ごろまで使われていた生活用具や農機具約90点が並んだ。展示品の一部は道具の名前を答えるクイズとなり、子どもたちはクイズ用紙と見比べて「あっ、これだ」と叫び、珍しそうに触っていた。
 87歳でなお現役農家の高橋靖二さん=下保谷3=は、昭和10年のものという干し大根用に表皮を削るサメの皮を見せて当時の大根洗いの様子を話したり、麦の穂をこき落とす千歯こきなど農具の使い方を説明した。
 土蔵前では林知子・群馬大名誉教授が「保谷の民家と武蔵野の暮らし」と題して講演。農家研究の第一人者だった大学教授が昭和12年に調査した保谷の民家が武蔵野の典型的な家であったことや、自分の土地にある材料を建物に使うので自然に湿度が調整されるなど健康によい、などと解説した。そのうえで民家の保存について「古いから残すのでなく、家の建て方に詰まっている知恵、さらには暮らし全体の知恵を伝えていくことに意味がある」と強調。今では個人で維持管理するのが難しい状況に対し、「行政の力で保存できるよう、みなさんが知恵を出してほしい」と訴えた。
 「屋敷林を守る会」のメンバーたちによる割りばしゴム鉄砲、ススキのミミズク作り、くぎ代わりにドングリを打ちつけたパチンコ台にドングリを落とすゲームなどのコーナーは親子連れの人気を集めていた。(下の写真は左から林教授の講演、高橋さんの農機具解説、ドングリゲーム)
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