「はやぶさ」帰還に感動再び 國中・宇宙研教授講演

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イメージ 2 小惑星イトカワ」の微粒子を地球に持ち帰った探査機「はやぶさ」をめぐる人間ドラマを描いた映画「はやぶさ 遥かなる帰還」の上映と、はやぶさのエンジン開発や運用に携わった國中均・宇宙航空研究開発機構JAXA)教授の講演が1127日、府中市の府中グリーンプラザで行われた。
多摩地域が神奈川県から東京都(当時の東京府)に移管されて120周年になるのを記念し、東京市町村自治調査会とNPO法人全国生涯学習ネットワークが主催。同地域に住んでいるか通勤通学している人からの応募が定員を上回って抽選となる人気ぶり。この日、約500席の会場は満員となった。
映画鑑賞の後、國中教授は「はやぶさ1号2号による小惑星探査」と題して講演。映像を使いながら、人工衛星が「飛んでいる」という表現は「落ち続けている」が正しいと説明して聴衆の興味を呼び起こし、はやぶさが積んだプラズマ(イオン)エンジンの原理をわかりやすく解説したり、10年余りに及ぶ性能改善の苦労を語ったりした。
エンジン開発では「不可能だ」という一部の声に、「応援の一種とプラス志向で受け止めファイトを燃やした」と話し、「未来は決まっていない。未来は創(つく)るもの。しかし、挑戦しないと創れない」と力を込めた。
教授は、1516世紀が大航海時代であるならば、現代は「宇宙大航海時代」であるとして宇宙探査の必要性を説き、2014年打ち上げ、別のタイプの小惑星から物質を採取して20年帰還予定のはやぶさ2号への支援を求めた。