伊東駅から天城登山口へ行く天城東急リゾートシャトルバスの1便(午前7時55分発)に乗るため田無駅前に5時集合し、タクシーでJR武蔵境駅へ。中央線で東京駅へ、新幹線で熱海へ、伊豆急で伊東へと乗り継いだ。
30分ほど歩いた四辻(よつじ)からは万二郎(ばんじろう)岳、万三郎(ばんざぶろう)岳の順で時計回りのコースを選んだ。リーダーがインターネットで調べ、初心者が歩きやすいと判断した。
視界が開けるはずの馬の背も霧に覆われ、吹き上げる風が体に当たり、ミルク色のカーテンが目の前を横切った。
シャクナゲ群生地(と言っても霧で見えない)を過ぎ、急な木段を登ると、天城連山の最高峰の万三郎岳(1405メートル)の山頂だ。出発してちょうど3時間。まずは順調なペース。先着したリーダーがみんなの分のカップめんにポットの湯を注いでくれていた。素手だと体温が奪われ指先の感覚を失うほどの天候のもと、体の芯から温まった。
昼食もそこそこに山頂から涸沢(からさわ)分岐点、石柱を経て四辻へ。長い急な階段や急な斜面、どこが登山道か見失いそうながれ場(岩場)と気が抜けない。万三郎岳までに、張り出した木の幹や枝に3度、頭をぶつけ、下山では斜面の巨岩に膝をぶつけて内出血を起こした。このころには霧も上がり、多雨地帯らしく、こけが山肌全体を黄緑色に覆う光景に出合えた。
四辻から朝の出発点に戻ったのは午後2時半を過ぎていた。シャクナゲコースは全長8.7キロ、約5時間30分(伊豆市観光協会ホームページ)が目安とされており、なんとか踏破できたものの2人からは遅れ、体力はほとんど使い果たしていた。