江戸の下町・深川と清澄庭園をめぐる

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 北多摩自然環境連絡会主催の「ウオッチング」は1128日、東京都江東区の都立清澄庭園を最終目的地に「清澄庭園と江戸の下町をめぐる」と題して行われ、24人が参加した=写真は清澄庭園の磯渡り。

 東京メトロ東西線門前仲町駅6番出口に集合し、午前10時すぎに出発。数分先の深川東京モダン館で待機していた江東区文化観光ガイドの会の2人に館の内外を案内してもらう。

 今は門前仲町周辺のまち歩き案内所となっているが、もとは関東大震災の復興で建った東京市営(当時)の食堂。鉄筋コンクリート造りのため戦災に耐え、旧玄関床に敷いた六角タイルや外壁に六つの丸窓などを残した国の登録有形文化財

 名物「深川めし」を現地調達しようと弁当を持参した人は少なく、ガイドの人が心当たりのある店に電話で問い合わせてくれたが、直前の大量注文は無理のようだった。

 モダン館に来た道を戻る。100年前に門前仲町で創業したという衣料スーパー「赤札堂」(現在の場所とは異なる)の横を通り、深川公園から深川不動堂富岡八幡宮へ。

 深川不動堂は最上階(4階)の天井画や何百体もの大日如来像から色鮮やかな仏画が並ぶ「四国八十八ヶ所巡拝所」(2階)、両側に合計1万体のクリスタル五輪塔が光る回廊(1階)など祈りの世界が続く。

 富岡八幡宮では、ここに参拝してから全国測量の旅に出たという伊能忠敬銅像10億円をかけ大きさも日本一といわれる本社みこし、歴代横綱の名を刻む横綱力士碑などを見て回り、仙台堀川を渡って北へ進む。

 材木店は1階が高い。カフェ風に改造した店があった。深川七福神めぐりの一つ、大黒天をまつる円珠院、材木で大もうけした紀伊国屋文左衛門の墓、霊巖寺には松平定信の墓や江戸六地蔵の一つで大作の銅造り坐像と見どころが多い。ガイド氏が指さす、清澄庭園に近いビルには「変えるなら奥さんよりも壁の色!」の懸垂幕がかかっていた。

 清澄庭園には午後1時少し前に着いた。ガイドの付き添いはここまで。この日は、語呂合わせで「いい庭の日」のため、入園者には家紋をデザインした都立文化財庭園庭園のシールがプレゼントされた。

庭園の池に突き出るように建つ「涼亭」は昼食会場として午後1時から借りており、見事なペース配分。途中の弁当屋で買った折り詰めなどで空腹を満たし、三方に巡らせた水上の回廊に出て築山の富士山や中島などの風景を楽しんだ。

 午後2時すぎに外に出て池の周りを歩いた。モミジやハゼの紅葉、水面に浮かぶキンクロハジロなどガン・カモ類の群れと身じろぎしないアオサギ、遅咲きの黄色いツワブキの花、全国の産地から集められた名石の数々などに心癒やされ、池の端に並ぶ石を一つずつ進む「磯渡り」に水辺を実感する。

 1時間近くかけて涼亭に戻り、サービスセンター前でいったん解散した。多くの人はこのあと尾車部屋など大相撲の部屋があるいくつかのビルの前を通り、小名木川に架かる萬年橋を渡り、松尾芭蕉ゆかりの芭蕉稲荷神社、芭蕉庵史跡展望庭園、芭蕉記念館の庭を経て午後4時前に都営地下鉄森下駅で2度目の解散をした。

 今年のウオッチングは、東京都公園協会緑と水の市民カレッジ専任講師・豊福正己さんが企画した「豊福が案内する区内を中心の水と緑めぐり」全5回の最終。参加者たちは豊福さんに感謝の言葉をかけ、来年度の企画に期待していた。(下の写真は左から、富岡八幡宮横綱力士碑、芭蕉庵史跡展望庭園)
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