お浄土とは何か ひろさちやさん講演

イメージ 1  仏教思想家ひろさちやさんが8月4日、「お浄土とは何か」と題し武蔵野大で講演した。
 同大仏教文化研究所主催の年1回の特別公開講座西東京市や近隣市から200人を超える市民が参加した。さちさんの主な話は次の通り。
 ◆浄土に行きたくない 浄土に行けば縁あった人と再び会えるのかと女性に問われた。それは本当のことですと答えると、「ではやめます。地獄に行きます」という。しゅうとめに会いたくないのだという。そこで、その地獄は孤独地獄といって、いじめる鬼がいない代わりに、わが子や自分の親、親しい友達とも会えない所で、刑期は1兆6200億年であると伝えた。しゅうとめを拒絶する心がすでに地獄の世界。心の中に地獄があるように浄土も心の中にある。
◆後追い心中したい 交通事故で息子を亡くした母親が自殺したいと言ってきた。旦那さんと相談するようにと言うと、夫は毎日会社に行き悲しんでなんかいない、自分だけが悲しんでいると言い募る。そこで、息子さんが亡くなったのは、こんなお母さんと娑婆世界にいると駄目になると逃げ帰ったのですよと告げた。生きていれば結婚して嫁と母親の板挟みになって苦労する。それがいやだと帰った。あなたが死に追いやったようなものだとも話したら、「ひどい」とわめいた。
 浄土とは「(気象用語でいう)ホワイトアウト現象が生じている所」だ。光ばかりの世界(浄土)では何も見えない。自分の手さえ見えない。ものは影があるから見える。私たちは娑婆に修行にきているのだ。極楽の池に咲くハスは「青色青光、黄色黄光、赤色赤光、白色白光」といって、青いものは青いままに光っている。優等生は優等生なりに光り、劣等生も劣等生のまま光っているが、娑婆世界ではそうは見えない。劣等生もそのままで素晴らしく、必要な存在なのだ。この世は苦労の場所。つらい役割、つまらない役割を持ちながらこの世で学芸会をしているのだと思ってほしい。
◆ひきこもりを続けなさい ひきこもりで悩む青年から相談を受け、「せっかくなったのだから、もう少しひきこもりを続けなさい」と言ってやった。青年はうれしそうにニコッと笑った。このままではいけない、でもどうしょうもできないと思い続けていたのでしょう。いい文句を教えましょう。「ナムソノマンマソノマンマ」を3度唱えなさい。ナム(南無)
阿弥陀さん。「阿弥陀さんにすべてお任せします」という意味だ。
(写真下は大勢の聴衆を集めた、ひろさちやさんの講話)
イメージ 2