「西武沿線と団地」解き明かす 原教授講演会

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 東久留米市南部地域センターは3月3日、原武史明治学院大学教授を招き、「西武鉄道沿線と団地の地域学」と題する講演会を同センターで開いた。市内外から約100人が参加した。
 原さんは幼児期の1962~65年までを、東久留米と西東京の2市にまたがるひばりが丘団地で送り、小学校時代を滝山団地で過ごした。ひばりが丘団地は、旧日本住宅公社(都市再生機構=UR)が先駆的に手がけた大型モデル団地で、60年に当時の皇太子ご夫妻(天皇皇后両陛下)が訪問したことで有名になった。南部地域センターも同団地にある。
 原さんは団地という形態が米国になく旧ソ連や東欧に見られることから集団主義的な思想と親和性が高いのではないかとの考察を述べたり、賃貸よりも分譲が多かった滝山団地は、しがらみがないうえに永住志向の新住民が特定政党の党勢拡張の的になったと解説したりした。
 西武鉄道東急電鉄との沿線の街づくり戦略の違いや高層化、没個性化する団地の問題点にも言及。西武鉄道については旧態依然の経営戦略を皮肉りながら、隠れた特産物や歴史ドラマを生かせば、「この私鉄にも多くの可能性がある」とエールを送った。