<西東京市議会>補助金4千万円 内示ないまま工事契約可決

イメージ 1
国の補助金4000万円の内示が得られないまま、市が雨水対策の工事実施を業者と仮契約していた問題は、定例会最終日の6月20日、賛成多数で原案通り工事請負契約を締結することで決着した。
 この工事は「白子川上流6号雨水幹線築造工事」=写真は予定地=と呼ばれ、しもほうや保育園(下保谷3丁目)北側の水路から北町5丁目へ約70メートル区間の道路地下に下水道管やマンホールを設けるものだ。当初は2013年度と14年度で実施する予定だったが、昨年度の入札不調により1年ずれ込んだ。
 このため市は今定例会初日の6月6日に同工事の請負契約の締結議案を提出、同日の可決を見込んでいた。しかし、納田さおり氏(無所属)の質疑で、国の補助金4000万円の内示がないまま契約金額約2億4500万円で建設会社と仮契約していることが判明。続いて藤岡智明氏(共産党市議団)が国の補助がゼロ査定となった経過と今後の対応をただしたところで丸山浩一市長が答弁の保留を求め、この日の議決は見送りとなった。
 最終日の本会議で丸山市長は「議案の説明にあたり、配慮を欠いていたことを大変申し訳なく思っている」と陳謝。そのうえで、工事は西武池袋線の北部とひばりが丘地域の約100ヘクタールの雨水排水を受け持ち、管の中に670トンをためられることで集中豪雨時に水があふれるのを抑える効果が期待できると述べた。
 市長はまた、事業実施を判断した理由として工事の1年遅れによる市民生活への影響や緊急性を挙げ、財源対策では「代替財源を視野に入れ、国と東京都と引き続き協議を進めていく。市負担の抑制に向けて最大限の努力をする」と述べた。
 このあとも7氏が質問に立ち、市側は入札などの経過について、4月8日に一般競争入札を公告、翌9日に国から内示ゼロの連絡、15日に関係3部長が協議、5月16日に入札執行――と詳細を明らかにした。議決遅れに伴う工期の遅れについては「取り戻せる」とし、市長は「(財源をめぐる)国や都との事務折衝の時期を見て私も行動を起こす」と踏み込んだ答弁をした。
 午後から行われた討論で納田さおり、大友禾弘子(かくこ)、桐山ひとみの無所属3氏が反対、大林光昭氏(市議会公明党)と藤岡氏が賛成の立場を表明した後、採決があった。(下の写真は工事予定地付近の白子川。暗渠<あんきょ>になっている)
イメージ 2