市民が企画「屋敷林を訪ねて」 向台町、新町を巡る

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 西東京市の市民団体「屋敷林の会」が企画、主催する公民館市民企画事業の「屋敷林を訪ねて―自然と歴史を知ろう―」の2回目は6月20日、向台町と新町で行われた。
 
 一般市民と主催者側の関係者合わせて36人が参加。集合場所の向台公園で、岡野重吉さんからおもな樹種の特徴を、郷土史研究者の近辻喜一さんから公園用地を旧田無市が買収するまでの所有者の変転などを聞いた。
 
 1752年の創建とされる阿波洲(あわしま)神社に寄り、多摩湖自転車道入り口に出て、千川上水沿いに玉川上水との分水点へ。ここから北へ向かい、築150年という和の家「櫻井」の庭や母屋の周りを見学。
 
 新町地区で屋敷林が残るのはここだけという下田家=写真=では、8代目当主の敬一さんが昔の屋敷や農業経営について話した。屋敷林は、「維持費がかかって大変だが、叔父叔母が来て懐かしんでくれる間は今のままにしておきたい」。ノウサギコジュケイオナガなど多くの野生生物を見かけるとも言う。
 
 最後は、江戸時代から村人たちの信仰を集め、明治の初めまで寺子屋が開かれていた「閻魔(えんま)堂」(現在のものは平成元年に再建)の前で解散した。
 
 見学地点では昔の有力者の系譜や盛衰、功績、農民弾圧の御門訴事件などの解説があったほか、阿波洲神社境内に群生するヤマアイや柿の古木、自転車道の入り口付近ではアズマネザサが60年に1度といわれる花を咲かせたことなどの植物解説もあり、参加者たちは熱心に聞き入ったり、メモを取ったりしていた。
 
 同事業の最終回は28日に、「武蔵野の屋敷林―4地域を中心として―」と題する高田賢さん(下保谷の自然と文化を記録する会代表)の講演会が保谷駅前公民館で開かれる。(下の写真は左から玉川上水から千川上水への分水、和の家「櫻井」)
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