新町地区で屋敷林が残るのはここだけという下田家=写真=では、8代目当主の敬一さんが昔の屋敷や農業経営について話した。屋敷林は、「維持費がかかって大変だが、叔父叔母が来て懐かしんでくれる間は今のままにしておきたい」。ノウサギ、コジュケイ、オナガなど多くの野生生物を見かけるとも言う。
最後は、江戸時代から村人たちの信仰を集め、明治の初めまで寺子屋が開かれていた「閻魔(えんま)堂」(現在のものは平成元年に再建)の前で解散した。
見学地点では昔の有力者の系譜や盛衰、功績、農民弾圧の御門訴事件などの解説があったほか、阿波洲神社境内に群生するヤマアイや柿の古木、自転車道の入り口付近ではアズマネザサが60年に1度といわれる花を咲かせたことなどの植物解説もあり、参加者たちは熱心に聞き入ったり、メモを取ったりしていた。
同事業の最終回は28日に、「武蔵野の屋敷林―4地域を中心として―」と題する高田賢さん(下保谷の自然と文化を記録する会代表)の講演会が保谷駅前公民館で開かれる。(下の写真は左から玉川上水から千川上水への分水、和の家「櫻井」)