上出さんは退職後、血液のがんと闘いながらフリーの記者を務め、さらに上智大学大学院に入学して新聞学を専攻。
6年間かけて昨年3月、「マス・メディア報道の自己規制―メディアが自ら検証しない日本的な負の構造―」とのタイトルの論文で博士号を授与された。
著書「報道の自己規制 メディアを蝕(むしば)む不都合な真実」(リベルタ出版)は、論文を下敷きにし、「さまざまな自己規制モデルや記者への聞き取り調査のデータを示すなどして、その態様やメカニズムの解明」(まえがき)を試みている。
上出さんは謝辞の中で、「大学生活を2回できたことが一番うれしい」と話し、晴れ舞台に一緒に立つのは結婚式以来という妻美鈴さんに、これまで支えてくれた感謝を込めて花束を手渡した。