「報道の自己規制」出版祝う 上出さん、70歳で博士号も

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 友人で元北海道新聞記者の上出義樹さん(71)=東京都目黒区=の「古希の出版を祝う会」が3月13日、東京・霞が関霞山会館で開かれた=写真は斉藤進さん撮影。左は上出さんの妻美鈴さん。

 上出さんは退職後、血液のがんと闘いながらフリーの記者を務め、さらに上智大学大学院に入学して新聞学を専攻。

 6年間かけて昨年3月、「マス・メディア報道の自己規制―メディアが自ら検証しない日本的な負の構造―」とのタイトルの論文で博士号を授与された。

 著書「報道の自己規制 メディアを蝕(むしば)む不都合な真実」(リベルタ出版)は、論文を下敷きにし、「さまざまな自己規制モデルや記者への聞き取り調査のデータを示すなどして、その態様やメカニズムの解明」(まえがき)を試みている。

 祝う会には報道、大学などの関係者約80人が出席。世話人会代表で上出さんの指導教員だった音好宏教授は「糸が切れない程度にたこを泳がせた」と上出さんの学究生活をユーモラスに明かした。

 上出さんは謝辞の中で、「大学生活を2回できたことが一番うれしい」と話し、晴れ舞台に一緒に立つのは結婚式以来という妻美鈴さんに、これまで支えてくれた感謝を込めて花束を手渡した。