外国人市民の今を探る 西東京の情報紙

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 西東京市の「きらっとシニア倶楽部」は7月19日、「西東京市の外国人市民」を特集した地域情報紙(A4判4ページ、無料)の最新号を発行した=写真は1面。

 市のまとめによると、住民登録人口20万781人のうち外国人住民は約2%の4118人(7月1日現在)。

特集記事は1~3面に組まれた。1面は、中国から来た劉鴻さんと南米ベネズエラ出身のアディエネ・ロケ・デ・菱山さんの女性2人に取材している。

 劉さんは子ども好きで、市内の小学校で外国人児童に日本語を教えたり、多文化共生センター(NIMIC)で外国人相談者の通訳を務めたりしている。アディエネさんは日本ベネズエラ協会の理事で、大学でスペイン語を教え、地域でもスペイン語教室やラテンの音楽・文化に触れてもらう機会を作っている。

 二人とも西東京市が気に入った様子で、「まちの人々と仲良く暮らしていきたい」「地域の方とコミュニケーションを図りたい」と話す。

 芝久保日本語教室で日本語を教える加藤宗孝さんは清瀬市に住み、81歳。定年退職した73歳で講習を受け、今の活動を始めた。日常会話に困らない程度に言葉を教えるだけでなく、履歴書の書き方、確定申告書作成の相談、留学生の論文の事前チェックにも力を貸す。通学をやめてしまった人たちへのフォローも語られる。
 
 「教えに行っているとかっこいいが、実は教えてもらっているのです」との言葉に加藤さんの人となりがにじむ。2面で紹介されている。

 3面ではNIMIC代表理事の久保芳昭さんがセンターの多様な活動を紹介し、今後に向けては「人材育成と自主運営事業の拡大」と課題を語る。

 市内の外国人市民実態調査の結果の一部も3面に収められた。先ごろNIMICが作製・発行した「西東京市の多文化共生~この10年と今後に向けて」からの抜粋。日本語教室やNIMICに関わっている人とその友人・知人が調査対象のため、データの読み取り方に気を付けなければならないが、9割近くが「住み続けたい」と答えた一方で、「日本人の知り合いはあまりいない」「地域社会で差別を感じる」が、ともに4人に1人の割合でいた。

 最新号は約4500部を印刷。公民館や図書館、地域包括支援センター、福祉センターなどの公共施設や一部の医療機関、薬局、整骨院などに配置される。