<農業講座日記>ニンジンと白菜間引き、ブロッコリー定植(9月17日)

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太く立派なニンジンに育つよう間引き作業

 講座12回目の9月17日はニンジンと白菜の間引き、キャベツの追肥ブロッコリーの苗の定植を行った。今年最後の真夏日が予想され、青空ながらも蒸し暑い朝だった。

 

 ニンジンの間引きについて、先生の保谷隆司さんが作業の要領を説明した。大きい苗を1本だけ残し、拳一つ(約10センチ)の間隔で間引いてゆく。もったいないと思わないこと、2本が生えているのを見逃さないよう注意される。

 

 同じ穴に数粒の種をまいたのにどれも茎が細かったり、逆にどちらを抜こうか迷うほど2本が近接して立派に育っていたりして最初は選ぶのに戸惑うが、慣れると手早くなっているのが自覚できる。

 

 瞬間的な判断だけでなく、残す株の根元を指で挟むように押さえてやることや、抜き取った苗の茎の下をそろえて持つという心配りも必要だ。

 

 白菜は寒冷紗(かんれいしゃ)をまくり上げて間引く。こちらは3粒まきなのと葉が大きめなのでほとんど迷わずに済む。「この間引き菜はおいしいよ」と保谷さん。

 

 キャベツには追肥をやった。数日前に保谷さんが2種類の殺虫剤を散布してくれたという。うねの両側を崩し、片側に肥料をまく。両側にくわを入れるのは細かい根を切るためという。

 

 追肥した後は肥料が見えなくなるようにきちんと土寄せする。土寄せの際、キャベツの葉を土から出したり、土を落としてやったりすることが重要。ブロッコリーやカリフラワーについても同様だそうだ。この作業はベテランのメンバーが手際よく行ってくれた。

 

 この日最後の作業はブロッコリーの苗植え。元肥をやり、保谷さんが耕運機で耕しておいてくれた部分を、長さ66センチの「しゃくり棒」と拳でうね幅を決め、うねの両側をくわで切っていく。うねの上をならし、しゃくり棒の半分の間隔で苗を植えるポイントを決めて印を付ける。

 

 植えるポイントには病害虫防除の2種類の農薬を一つまみずつしっかり土と混ぜ合わせ、拳ほどの大きさの穴を開けた所に、苗が直立になるように植えた。前日の雨による湿り気が土に残り、翌日も雨予報ということを織り込み、メキャベツの時のように植え込み時に水をやらない。

 

 ブロッコリーの品種は「アーサー」といい、保谷さんは「低温の影響で変色せず、私は一番良いと思っている」。霜で赤茶けると、市場価値がなくなるという。収穫は年明けになる。

 

 保谷さんは作業終了後のまとめで、キャベツの根切りは、人手がないため市内のキャベツ農家ではほとんど行われていないことや、キャベツは葉が土に触れると黄変し、特に早生種は軸が短く病気に弱いと話した。消費者が知らないことは多い。

 

 白菜と大根も、今台風に来られたらおしまい。「寒冷紗の取り外しはぎりぎりまで待ちます」とも話し、天候との闘いにも気が休まらない様子がうかがえた。

 

 間引いたニンジンと白菜は、各班の参加者数に応じて等分に分け、持ち帰った。ささやかなご褒美―。