1年を春夏秋冬の「四季」に分けるのではなく、「八季」ととらえて季節の花を楽しむ。そんな考え方を提唱する人の新講座が9月1日、東京都千代田区であった。
講座は大人の休日俱楽部趣味の会の主催。自治体の公園などの指定管理者でもある西武造園の協力を得た。「季節の花と庭園を楽しむ講座」と題し、同社みどり環境統括部技術指導者の河村康雄さんが講師。20人が参加した。
春は旧暦では立春(2月4日ごろ)~立夏(5月6日ごろ)までをいうが、体感としては春分(3月21日ごろ)~夏至(6月22日ごろ)までとズレがある。
河村さんによると、体感による四季区分は、年間の日最高気温と日最低気温の推移(30年間の平均値)を示す曲線からもわかり、夏だと立秋(8月8日ごろ)をピークとして夏至~秋分(9月23日ごろ)まで山を描く気温データの曲線に当てはまるという。
一方で、太陽の高さ(南中高度)を基準にすると、夏至を挟んで立夏~立秋までが夏となる。
このように紛らわしい四季ではなく、春分-夏至-秋分―冬至-春分のサイクルの間に立夏、立秋、立冬、立春を区切りとして入れ、1年を八つの季節に分ける。
呼び方は、春であれば立春~春分が「春めく頃」、春分~立夏が「春たけなわの頃」。ほかの季節もこれに準じるが、夏と冬に「たけなわ」はなじまないとして「暑さ(寒さ)きびしき頃」と提案する。
「八季は植物が見せてくれる季節分けです」と河村さん。撮りためて冊子に収めたホトケノザ(埼玉県朝霞市、黒目川土手)やアメリカデイゴ(東京、お台場海浜公園)、ソシンロウバイ(神奈川県鎌倉市、東慶寺)など三十数枚のカラー写真について説明した。