不健康の坂を転がり落ちる。そんな言葉が浮かんできたのは、肋骨(ろっこつ)骨折の診療を受けた翌朝だった。
今では習慣になっている起床直後の体重測定で、信じられない数字が出た。昨年夏、脳出血で10日間の入院生活を送り、退院後は80~81キロだったのに、1年も経たないうちに5キロ前後増え、4月23日の今朝は未到の87キロ台に。測りなおしても50グラムさえ減らず、現実を受け入れた。
朝食はパンを一切れに抑えた。バターやジャムは塗らなかった。牛乳はいつもの低脂肪牛乳をマグカップ8分目に。
さて、コーヒーをいれる前に、薬を飲んでおこう。既往症の痛風と脳出血に対応した錠剤3粒に、骨折で処方された痛みを抑える錠剤、胃の粘膜を保護する錠剤が加わった。どれも朝食後30分以内に飲むよう指示されている。
5種5錠を一度に飲むのは75年の人生で初めて。「薬漬け」という言葉が浮かび、今の私と同じ年頃だった父がもっと多くの薬を携えて旅に出ていたいたことを思い出した。
肋骨骨折では前夜、風呂から上がって胸部とひじに消炎鎮痛テープを貼るのに悪戦苦闘。貼り損なって何枚かを無駄にした。胸部を固定するバスとバンドも締め付け具合など取り扱いは簡単ではない。
医師の話では3週間が一応回復の目安。それまで強い運動はできないから、当面は間食と食べ過ぎに注意しよう。脳神経外科の医師からも食べ過ぎを警告されていたし、今度こそ、不健康への転落を止めなければならない。