会場でプログラムをもらって見ると、白酒以外の出演者は前座さんだけ。これぞ、独演会。
前半は『代脈』と『転宅』の2席。先生(医者)の忠告を往診先でベラベラしゃべってしまう間抜けな弟子、旦那に囲われる女の色香に完璧に取り込まれてしまう間抜けな泥棒がそれぞれの主人公。
笑う側に少しも「差別」という後ろめたさを持たせない巧みな話芸。
後半の1席もバカバカしい噺(はなし)。怪談話を真に受ける人がいれば、ツッコミを入れる人もいて、どちらも笑えるのだが、与太郎と婆さんが登場していよいよ大団円で聴くサゲが理解できなかったのは残念。近くの人からも「サゲ、わかった?」と問う、やはり消化不良の声。
演者によってサゲが違うらしいこのお題は『お化け長屋』。