落語家の勉強会ってなんだろう 柳家喬太郎が2席

ふたつの演目をかけた柳家喬太郎の勉強会は満員御礼=三鷹市芸術文化センター


 2月7日はミラノ・コルティナ冬季五輪の開会式をテレビ(録画)で見て、小雪がちらつき始めた中、オーケーストアに買い物に出て、三鷹の「柳家喬太郎みたか勉強会」へ向かった。

 

 高座は前半に二つ目の柳家小次郎、後半に真打ち昇進を翌月に控えた柳家小はぜを前に置いて『金明竹(きんめいちく)』と『按摩の炬燵(あんまのこたつ)』を演じた。

 

 小次郎は海上自衛隊から落語界に入り、海自の思い出をマクラに、馬の骨を弔う『野ざらし』を語ったが、噺(はなし)の中身はほとんど頭に入らなかった。

 

 マクラでは、長い航海の暇つぶしが太鼓たたきで、外国に上陸した際文化交流に役立ち、上官への憂さ晴らしにもなること、太鼓の革は耐久性の高い馬の革を使い続けていること、現場では釣りを「F作業」と称することを聞き、興味深かった。

 

 小はぜは『人形買い』を演じたが、値切ったり金を取ろうとしたりする人物が次々と現れる筋書きを素直に笑えず、途中から意識が飛んだ。昇進披露興行のチケットを買ってくれとしつこかったのが印象に残った。

 

 喬太郎は足が不自由のようで正座ができず、講談師のように体の前に釈台を置いて足を隠し、あぐらをかいていた。私も50代半ばで膝の骨を折って以来正座ができず、今年からは度重なる転倒・骨折で日常の歩行にも不自由しており、師匠への同情を禁じえなかった。

 

 しかし話芸は一流。取引先の使いの男が上方なまりで用件を長々とまくしたてるシーンが4度もある『金明竹』。何度目かに、会場が大きな拍手に包まれた。「勉強会」たるゆえんはここにあったのかもしれない。

 

 『按摩の炬燵』では、夜の寒さに震える小僧たちが主人に新しい布団にしてくれるよう番頭に頼むくだりが、非正規社員と会社幹部の関係を想像させ、それも人情の通い合いを感じさせる。

 

 番頭が按摩に酒を飲ませ、眠る小僧たちのこたつ替わりにするという設定も奇想天外だが、小僧たちの寝言にも涙を誘われる。サゲは「なるほど」と笑えるのに、噺のところどころでホロリとさせられる不思議な演目だ。