春風亭昇太独演会が10月19日に三鷹市公会堂であり、右足首を捻挫した昇太さん(64)が釈台を使って3席を演じた。
おしゃれな柄のアロハシャツとジーンズ姿で舞台に現れた昇太さんはオープニングトークで捻挫のいきさつを明かした。静岡県・清水で落語会を終え、共演の林家たい平さんと飲みに出ようとしてホテルの段差につまずいたという。
翌日の海釣りの時はたいしたダメージがなかったのに、翌朝、痛みで目が覚め、強い痛みに襲われた。医療機関でレントゲン検査をして捻挫とわかり、医師から「安静にして。正座は一番よくない」と告げられた。
ラジオの仕事の後、痛み止めの薬を飲んだり、テーピングをしたりして弟子の仕事先の山形へ。山形駅でも痛かった。
「今日は釈台を使ってやらせてもらいますが、珍しいものを見られますのでよろしく」「今は多少歩けます」
山形へ一緒に行った弟子とは、この日の独演会で前座を務めた二ツ目の春風亭昇りんさん(33)。出身地の中山町観光大使を務め、町誕生70周年記念で師匠・昇太さんを呼ぶことになったと、昇りんさんがマクラで補足説明した。
ちなみに釈台とは講談師が高座に置く箱型の小さな机。昇太さんがマクラで話したところによると、もとは新作クラブの仲間の柳家喬太郎さんのために昇太さんが作ったもの。「まさか自分で使いとは」と笑わせ、「高い」「重い」と使う前の感想が2席目を終わったころには「釈台があってやりやすかった。楽だし、腕時計も置けて便利なものだ」と見直していた。
昇太さんはマクラで、自身は東海大学中退だが客員教授を務めており、10月からは復学して大学生になったことで「学割が使えるのが楽しみ」「部活でオチケン(落語研究会)に入る」とも語った。
昇太さんのこの日の演目は『長命』『親子酒』『茶の湯』。