
世界文化遺産の白川郷合掌造り集落のうち、規模が大きく野外博物館「民家園」もある荻町地区の合掌集落が近い。白川村営せせらぎ公園の駐車場に車を置く。庄川を
挟んでこちら側は使われなくなった合掌造り家屋を移築した民家園がメーン。であい橋を渡った対岸に日常生活を営む人たちの家が多い。

であい橋は庄川をまたぐ、長さ100メートル余りのつり橋だが、揺れは少ない。渡った先の集落は民宿や飲食店、土産物店を営んでおり、家の前の小さな水田が印象的だ。水田は茎葉が20センチほどに育っていた。軽トラックや洗濯物、庭先で白い花を開くマーガレットが生活感を醸し出す。通りでは中国人の団体客がにぎやかに話す姿が目についた=写真上。
東通りに沿う水路で、斑点に覆われた大きめの魚の群れが行ったり来たりしていた。水路の下でモップを洗う男性住民に聞くと、「釣ってきたニジマスを観光用に放している。自分たちで食べたり、観光客に食べさせたりはしない」という。
昼食には時間が早く、白山スーパー林道の往復を先行させることにした。入り口の馬狩料金ゲートの女性係員は、出口を出ずに途中で引き返せば往復券よりも安い片道料金で済むという。スーパー林道からの景色が目的なので、片道切符とした。
車を進めると、トンネルの天井からぶら下がっているのか、岐阜と石川の県境を示す小さな白い看板が車のライトに浮かび上がった。石川県に入り、ふくべ大滝(標高900メートル)=写真下=を見る。落差86メートルで蛇谷随一の大滝とされるが、水しぶきは届かず、展望場所からも離れているため、チラシにある「豪壮な」感じにはいまひとつ。
その先は蛇谷(じゃだに)大橋(標高730メートル)。はるか下を流れる蛇谷川の峡谷に架かる唯一の大橋を渡る。料金所でもらった観光チラシの写真は橋下のアーチが赤いが、この日は黒色だった。車内はみな赤色を支持した。
大橋の先でUターンし、さっきは通過してしまった「とがの木台」(標高1400メートル)に止める。白山を正面に見ることができる駐車場。まだ雪で覆われた白山は、行きの時よりも雲に隠れていたのが残念。