縄文・下野谷遺跡「新しいふるさと意識育てられる」 調布で報告会

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 「縄文時代の集落遺跡」と題する多摩地域の遺跡発掘成果報告会が220日、調布市文化会館であり、下布田(<しもふだ>調布市)、緑川東(国立市)、下宅部(<しもやけべ>東村山市)、下野谷(<したのや>西東京市)の4カ所について、各市教委の専門職員らが調査や研究、整備活用の状況などを発表した=写真上=。
 
 イメージ 2埋蔵文化財を担当する東京都各市の社会教育課長会が初めて市民向けに開催し、約60人が参加した。
 
 国指定の史跡になることが決まっている下野谷遺跡は、西東京市東伏見石神井川右岸で標高50メートルあまりの台地に広がる2つの環状集落のうち、遺跡公園のある西集落。遺跡全体では東西約750メートル、南北約300メートルと推定され、縄文中期の定住集落として関東屈指の規模と内容を誇る。1千年間、常に人が住んでいたという。
 
 西東京市教委の文化財保護専門員の亀田直美さん=写真下=は、「遺跡と地域コミュニティーが共存することで地域の活性化も図られるのではないか」と述べた。
 
また、田無市保谷市との合併で生まれた西東京市には新しいふるさと意識が必要だと指摘。「縄文人たちのふるさとが自分たちのふるさとにある、ということがひとつの力になる」と話した。
 
このほか下布田遺跡は住居跡の発見が今後の大きな課題であること、4本の大型石棒がほぼ完全な形で出土し全国的に注目された緑川東遺跡は「まさかの新しい発見があることを教えてくれた」、下宅部遺跡はウルシ材などの調査研究から縄文人の巧みな森林資源管理がわかったこと―などが報告された。