埼玉・浦和区 元水路の緑道と旧中山道を歩く

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 西東京市ウオーキング協会の6月ミニウオーキング25人が参加して8日、埼玉県浦和区の岸町緑道=写真=や、旧中山道を歩く約5.5キロのコースで行われた。

 岸町緑道は、昭和初期の耕地整理で造られた排水路の上をふさいで遊歩道にしたもので、離れて2カ所ある。

JR南浦和駅西口から浦和駅に向かって線路沿いの道を進み、ガード下の交差点で左折して始まるのが1本目。馬場先通りの南側に平行し、住宅に挟まれて幅2メートルもない歩道が延びる。

もう一つの岸町緑道は岸町小学校正門前から北に向かう。道幅はこちらの方が広い。

先の東西の岸町緑道ではビヨウヤナギやアジサイなどの花を観察し、シデの大木が目立つ神明社で一休み。

中山道に面して、大正時代の趣を伝える木造の商家「関元屋」=下に写真。昔は材木商やよろず屋、近年は米穀を扱っていたという。店先の井戸は関東大震災東京大空襲で逃げ延びた人々ののどを潤し、「お助け井戸」と呼ばれたと説明板にあった。

乳牛がいた牧場跡とは想像ができない、小ぢんまりした起志乃(きしの)天神社。休んでいると、境内にある自治会の施設から男性が出てきて、社殿が浦和で著名な高砂小学校の奉安殿だったことや石碑群の説明をしてくれた。この日、唯一の交流のひととき。

岸町小前を起点とする緑道は道路と交差するたびに左右が緩い上り坂になっており、緑道が台地からの水を集める水路だったことがわかる。小さな白い花を着けたアベリアや民家の庭からのぞくトクサの群生に足を止める。

ここからは、寺社巡り。目の病にご利益があると信仰され、「め」の字を対称に書いたたくさんの絵馬がかかる寅(とら)薬師堂=下に写真=から、こま犬に代わりウサギの石像が置かれた調(つき)神社へ。境内や公園を回って中山道を北上し、左の門前通りに入った。中山道浦和宿をしのばせる老舗はポツンポツンとしか残っていない。

江戸時代後期の建築とされる玉蔵院山門は正面から入れず、本堂側に回り込んだ。平安時代の創建と伝えられる玉蔵院では石庭や推定樹齢100年のしだれ桜、地蔵堂を見て、さくら草通りの埼玉会館側起点で解散した。

今回のコースは「浦和区文化の小径(こみち)マップ」を参考に設定された。南浦和駅西口広場スタートは午前9時45分ごろ、埼玉会館前解散は正午ごろ。曇り空の下、時折涼しい風が吹いた。
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